9月29日、ついに開幕するBリーグ第2章。再び始まる激闘、そして興奮を生みだすアリーナがファン・ブースターを待っているであろう。その中で各チームがファーストシーズンを終えてから様々な変革を遂げ、『BUILD UP』した形でTIP OFFの時を待っているのである。今の段階ですべてのチームが、どのような形でシーズンを迎えようとしているのか。そして、今シーズンの見どころはどこなのか。わかっているようでわからない、それが現実ではないであろうか。でも、チームの全容を知りたい。どうしたらいいのであろうか、困ってしまっていた。その時、ふといつもお世話になっている人たちの顔を思い出した。それはチームを様々な形でアピールしている「広報」という人たちである。そんな各チームの広報の皆さんから頂いた各チームの情報を元に、独断と偏見で今シーズンB1リーグ全体のキーを握るであろうチームをピックアップして、紹介していきたい。
第1弾に続き、今回の第2弾も中地区のチームを紹介していきたい。
昨シーズンはチャンピオンシップに進出し、惜しくもクォーターファイナルで敗退してしまったが、攻守におけるチームバスケットは見ているものを魅了し続けた。今シーズンはさらなる飛躍を、そしててっぺんを虎視眈々と狙っている、「赤き不死鳥軍団」の三遠ネオフェニックス。
チームスローガンの『全心全力』なチームバスケットは今シーズンも健在で、ここまでのプレシーズンのゲームを見ていても、外国籍選手が1人の状況でも、誰かが目立つわけではなくオフェンスではチーム全体でボールをシェアし、一方のディフェンスではスペースをチーム全体でカバーしていたのである。さらなる進化を遂げようとしているこのバスケットスタイルは、昨シーズン以上の結果が生みだされるのではないかと期待してしまうのである。
そんなチームの中心人物は、日本代表としてもペイントエリアでフィジカルを活かし戦い続けている、日本屈指のビッグマンである太田敦也であろう。広報の伊藤さんは「日本代表にも定着してきたゴール下の大黒柱。ディフェンスはもちろん、今シーズンはアグレッシブに攻める姿勢も注目して欲しい」と、既に評価されているディフェンス面だけではなく、オフェンス面での成長している姿を見て欲しいとコメントを寄せてくれた。
さらには小さな巨人、司令塔の鈴木達也も注目してほしいチームの中心人物である。コートを縦横無尽に動き回り、相手ディフェンスの小さな穴を見つけ、そこに正確なボールハンドリングで的確なパスを出して味方のスコアを演出する姿は、これからプロのバスケットボールプレーヤーを目指している子どもたちには参考にしてもらいたいものである。
そして、今シーズンから加入した2人のオールラウンドプレーヤーには期待していいであろう。まず一人目はフィジカルが強く高身長な司令塔としてもスコアメーカーとしても活躍が期待されているガードの川嶋勇人。そしてもう一人はNBAでのプレー経験を持ち、鋭いドライブや正確なアウトサイドシュートからの得点力とマークマンへの激しいディフェンスも評価できる、カルティエ・マーティン。この二人は伊藤さんも非常に注目してほしいという新戦力であり、加えて今シーズンチームが悲願の頂点をつかみ取るために活躍が期待されていると言ってもいいであろう。
しかし、このチームの最強の新戦力を忘れてはいないであろうか。チームのムードメーカーにして、コート上では溢れんばかりのエナジーでチームをけん引し、インタビューではバスケットボールへの想いをストレートに言葉にして表現し、自身のTwitterでは辛らつかつユーモアなツイートで人々の心をつかんでいる日本バスケットボール界のエンターテイナー、比留木謙司だ。
外国籍選手に負けない攻守でのプレーは必見であるが、それ以上に彼の加入は非常にチームに新しい風を吹かせ、今まで以上に戦う集団へと変貌を遂げていくのではないだろうかと感じている。そして、「彼の加入でチーム公式のTwitterがどうなるか、ご注目ください!」と伊藤さんからのコメントからもオフコートでの活躍も期待して見ていきたい。
他にもチーム加入2シーズン目でチームバスケットの理解度が増し、今シーズン持ち味を存分に発揮して大暴れしてくれるのではないかと期待されている鹿野洵生と田渡修人の2人に加え、日本屈指のバスケIQの高いスマートなプレーヤーでもある岡田慎吾、「神様・仏様・大口様」の愛称でおなじみの必殺仕事人である大ベテランにして今シーズンがラストシーズンとなる大口真洋、そして圧倒的なパワーでゴール下を支配する日本でのプレー経験も長いスコット・モリソンなど、様々なタイプのタレントがそろっている。
また、今シーズンはマスコットでもある「ダンカー」と「アリー」の関係がどうなるのかもシーズンを通して注目して見てもらいたいものだ。
新戦力が加わり、さらに持ち味のチームバスケットが強固になれば、悲願の頂点も現実味を帯びてくる。赤く燃える不死鳥軍団が最後に大きく羽ばたくことができるのか、『全心全力』でウォッチしていきたいものだ。
文=鳴神富一