いよいよBリーグの2年目が開幕を迎えた。中でも、開幕節9カードのうち唯一昨季のチャンピオンシップでも激突したこのカードは、最注目の顔合わせと言っていいだろう。
王者の座を勝ちとった栃木ブレックスは、オフシーズンに主力が相次いで退団し、顔ぶれが一変。ヘッドコーチも長谷川健志氏に交代し、昨季とはチームスタイルも変わるだろう。とはいえ、チームの大黒柱である田臥勇太とライアン・ロシターは今季も健在。新戦力のセドリック・ボーズマン(元福島ファイヤーボンズ)や喜多川修平(元琉球ゴールデンキングス)も実績十分とあって、王者候補の一角であることは間違いない。
対するシーホース三河は、選手流出の痛手を最小限にとどめた上で、ダニエル・オルトン(元オーランド・マジック)、西川貴之(元レバンガ北海道)、松井啓十郎(元アルバルク東京)、村上直(元京都ハンナリーズ)を補強。スター軍団と呼ぶにふさわしい布陣となった。堅実なセットオフェンスに加え、今季はアーリーオフェンスの強化も志向している。昨季リーグ2位の得点力はさらに破壊力を増すことになりそうだ。
攻撃力自慢の三河に立ちはだかるのは、昨季ベストディフェンダー賞に輝いた遠藤祐亮。金丸晃輔や比江島慎といったスコアラーを抑えこむことは、そのまま栃木の勢いにつながる。昨季の優勝で勝者のメンタリティーを身につけた遠藤の働きが、試合の行方を左右するだろう。
文=吉川哲彦