2017.10.01
昨季は破竹の勢いで第92回天皇杯・第83回皇后杯(オールジャパン2017)の頂点に立った千葉ジェッツふなばし。Bリーグでも東地区の激戦を大いに盛りあげたが、チャンピオンシップでは初戦で栃木ブレックスの底力に屈する形となった。
今季は日本人選手のほぼ全員が残留。2年目となる大野篤史ヘッドコーチの下、昨季の戦略を継続する道を選んだ。インパクトのある働きを見せた外国籍選手のヒルトン・アームストロング(現琉球ゴールデンキングス)とタイラー・ストーン(現ハポエル・ギルボア・ガリル/イスラエル)はいずれも退団となったが、シーホース三河の西地区制覇に大きく貢献したギャビン・エドワーズの獲得に成功。もう一人のトニー・ガフニー(元アルバ・ベルリン/ドイツ)も、リーグ屈指のディフェンダーと早くも高評価を受けている。
富樫勇樹や小野龍猛ら既存の日本人選手と新外国籍選手がかみ合えば、完成度の高いバスケットを披露することは間違いない。ケガなどの不測の事態がなければ、東地区をリードしていくことになるだろう。
その千葉と同じくチーム創設7年目のシーズンに臨むのが横浜ビー・コルセアーズだ。ただし、昨季の成績は千葉とは対照的。B1・B2入替戦に勝利して、最も遅くB1残留を決めたチームとなった。しかし、千葉同様に多くのメンバーを残留させ、新加入選手は3人にとどめた。
昨季途中にチームに加わり、選手個々の特徴を把握している古田悟氏がHCに就任。経験豊富な選手を軸に、チームの連係を強化する方向性を打ちだした格好だ。そして、新加入選手は佐藤託矢(元京都ハンナリーズ)に田渡凌(ドミニカン大学カリフォルニア校卒)、ハシーム・サビート(元メンフィス・グリズリーズ、オクラホマシティ・サンダー他)と期待の持てる面々。佐藤はチームにいなかった貴重な日本人インサイドプレーヤーであり、田渡はその動向が注目されていた大型ルーキーだ。元々ポテンシャルの高い選手がそろっているだけに、中地区のダークホースになる可能性は十分にある。
上記2チームと違い、琉球は大掛かりなチーム再建に着手した。創設時からチームを支えてきた伊佐勉氏(現サンロッカーズ渋谷アシスタントコーチ)に代えて、日本代表のスタッフにも名を連ねた佐々宜央氏をHCに招へい。選手も山内盛久(現SR渋谷)や喜多川修平(現栃木ブレックス)などを相次いで手放し、アイラ・ブラウン(元SR渋谷)や古川孝敏(元栃木)といった実力派の選手を立て続けに獲得した。ややガードに偏っている感もあるとはいえ、11年目を迎えるチームの歴史の中で最も豪華なメンバー構成になったと言っていい。
昨季はチャンピオンシップ進出こそ果たしたものの、ファーストラウンドで敗退。シーズンオフにこれだけの動きを見せたのは、すべてその悔しさを晴らすため。三河が去った西地区は、優勝への本気度を示した琉球が主役の座に就くことになりそうだ。
文=吉川哲彦
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