B2王者の称号を手にB1に挑む西宮ストークスは、優勝メンバーにほぼ手を加えず、成熟したチームケミストリーで新たなステージに臨む。その中心となるのはともに生え抜きの谷直樹と道原紀晃、そしてbjリーグ時代を含めて4度の優勝経験を持つドゥレイロン・バーンズ。bjリーグとB2の両方で初代王者となった天日謙作アシスタントコーチの采配も、西宮の大きな武器の1つだ。
対戦相手の千葉ジェッツふなばしも、前回の全日本総合選手権(第92回天皇杯)を制したメンバーがほぼ残り、関東アーリーカップでも完成度の高いバスケットを披露した。欠かせないピースだった外国籍選手2人、ヒルトン・アームストロング(現琉球ゴールデンキングス)とタイラー・ストーン(ハポエル・ギルボア・ガリル)がチームを去ったが、新たに加わった2人、トニー・ガフニー(元アルバ・ベルリン)とギャビン・エドワーズも高い能力の持ち主。特に、シーホース三河の主軸だったエドワーズは多くの勝利をチームにもたらすに違いない。
昨季をB2で過ごした西宮が経験値で劣ることは否めず、サイズ面でも千葉が優位に立つ。総合的に比較すると千葉に分があるのは確かだ。しかし、NBL時代に強豪チームと戦ってきた選手もおり、通用する部分があることもわかっているはずだ。中でも谷はどのチームにも見劣りしないサイズとキャリアを持つ。谷のアウトサイドシュートが決まれば決まるほど、西宮は勝利に近づく。
文=吉川哲彦