「田臥さんと同じことをしても意味がない」、23歳の生原秀将が存在感を発揮

田臥勇太の指示を受ける生原(左) [写真]=加藤誠夫

 栃木ブレックスでの在籍2シーズン目を迎える大卒ルーキー、生原秀将が大仕事をやってのけた。

 ホームのブレックスアリーナ宇都宮にシーホース三河を迎え撃った9月29日のB1リーグ第1節第1戦。4012人のファンが会場に駆けつけ、試合前にはチャンピオンリング贈呈式が行われるなど最高潮の中でティップオフしたが、第1クォーターはインサイドを起点に攻められ13-21とビハインドを背負う。それでも、第2クォーター序盤にこの日最大のランとなる10-0でリズムをつかむと、その後は粘り強いディフェンスとオフェンスリバウンドで優位に立ち、78-64で完勝した。

 生原は第1クォーター残り2分41秒、主将の田臥勇太に代わってコートに立つと、約1分後にファーストシュートを沈めた。続く10分間は1本の3ポイントシュートを含む7得点、後半は計5得点を記録し、敵将の鈴木貴美一ヘッドコーチに「ものすごい集中力で、(生原の存在は)予測していなかった」と言わしめるほど。昨季までシックスマンとして活躍した渡邉裕規の代役に名乗りを上げた。

2本の3ポイントを含む14得点の大活躍を見せた [写真]=加藤誠夫

 筑波大学出身の23歳は試合後、16日までマレーシアで行われた招へい大会で調子が上がったことを明かし、「ここ1週間くらいは早く試合をしたいという気持ちで楽しみだった。やれる自信があった」とコメント。途中出場でチームに流れを呼びこんだこの日の出来をこう振り返る。

「ベンチでただ試合を見ているだけでなく、考えながら(見ている)。田臥さんと同じことをしても出る意味がないので。自分に必要なこと、得点を取りにいくことを意識し、積極的にシュートを狙った」

 また、先発ポイントガードを務める田臥は「しっかりディフェンスからリズムを作れて、冷静に試合をコントロールできる。外からのシュートもあって、頼もしいし、これからが楽しみ」と、生原を称賛した。

 筑波大で成し遂げた全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)3連覇などの経験から、追われる立場としてのプレッシャーは「あまりない」(生原)という。肝の据わった大物ルーキーが、Bリーグ連覇のカギを握る。

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