11月17日から19日にかけてB2リーグ第9節が各地で行われ、東地区首位を走る秋田ノーザンハピネッツが中地区最下位のアースフレンズ東京ZをホームのCNAアリーナ★あきたへ迎えた。
初めての対戦となった第2節では、秋田の2連勝。今節は、両チームともケガ人を抱え、万全ではない中での試合となった。
18日の1戦目は東京Zのリードで試合が始まるが、谷口大智の3ポイントシュート2本、白濱僚祐のドライブからのレイアップが決まり秋田が逆転。そのまま勢いをつけたかった秋田だが、ターンオーバーや、要所でルーベン・ボイキンにバスケットカウントを許すなど、なかなか波に乗れない。「自分が求めているレベルに近いものができた」と“ペップ”ことジョゼップ・クラロス・カナルスヘッドコーチが語るように、1試合をとおして固いディフェンスを見せたが、第3クォーターではファウルを取られる場面が増え、フリースローで27点中12点を与えた。
対して東京Zはこの日20得点5アシストの活躍を見せた西山達哉の3ポイントが決まり、第3クォーター残り2分8秒に3点差まで詰め寄る。しかし、第4クォーターではファウルが重なり、フリースローとセカンドチャンスをしっかり決めた秋田がリードを許すことなく81-69で逃げきった。
2戦目も、秋田は序盤からターンオーバーとシュートミスが続き、東京Zのリードで試合は進む。第2クォーター、秋葉真司のシュートと西山の3ポイントを連続で決められ、この日最大の11点差まで開くが、27-32で前半を終了した。
第3クォーター、秋田はトアーリン・フィッツパトリックと田口成浩の3ポイントが立て続けに決まりついに逆転。アリーナをピンクに染めたブースターからも大歓声が上がり、流れが傾きかけたが、前日同様19得点6アシストと活躍を見せ、ペップHCも「国内リーグ全体を見ても、トップレベルの選手」と評価する西山にすかさず3ポイントを決められ、流れをつかめない。
「ピック&ロールが多いチームなので、いかにそこを使わせないようにするか、試合前から話をしていた」と田口が話すように、いいシュートを打たせないようプレッシャーを掛け続けるが、うまくアジャストできず。逆にフリーになったシュートを確実に決められ、点差は縮まらない。第4クォーターでもその流れは変わらず、試合終了残り7分1秒にはナイジェル・スパイクスがファウルアウトに。
「選手が40分とおしてアグレッシブにリングに向かってくれたことと、リバウンドに全員で絡めたことが大きかった」という斎藤卓ヘッドコーチの言葉どおり、最後まで集中力を切らさず、チームリバウンド数もリッチモンド・ヴィルデの16個を中心に、秋田の27個に対し45個と圧倒。全員バスケで東京Zが秋田から貴重な1勝を勝ち取った。
ホームで2敗目を喫した秋田だが、ペップHCは試合後「シーズン終盤ではないですし、まだこれからも負ける可能性も十分あると思う。精神面においても改善しないといけない点がもちろんあるが、今までやってきて良かったポイントを再度確認して、ポジティブな面をもっと伸ばしていきたい」と前を向いている。
25日、26日には、今シーズン最初の日本一を決める第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会の3次ラウンドがスタート。万全なチーム状態ではないが、田口も「それは相手のチームも同じだと思うので、いるメンバーでしっかり勝てるように最善の準備をします」と意気込む。
最短でのB1昇格を目指す秋田。天皇杯でもどこまでの躍進を見せてくれるのか、期待したい。
文=長澤芳恵