bjリーグのチャンピオンとして初年度のBリーグに臨んだ琉球ゴールデンキングスだったが、チャンピオンシップに進出したものの、1回戦で敗退してシーズンを終えた。2シーズン目の開幕を迎えるにあたり、佐々宜央ヘッドコートを迎え入れ、日本代表経験者を移籍で獲得するなどチーム改革を断行した。今回、2017-18シーズンの後半を迎えるにあたり、琉球のキーパーソン4名にインタビュー。現在のチーム状況、そして、今後の展望についてお話をうかがった。
――今シーズンの琉球は全く新しいと言っていいくらいメンバーが変わった中での開幕になりました。開幕前から振り返ってみて、現段階でのチーム状態についてどう感じていますか?
岸本 すごく充実していると思います。すごく勝っているわけでも負けすぎてるわけでもなく(第15節終了時点で21勝7敗)、優勝を目指す上で大事な過程を踏めているんじゃないかなと。もちろん、うまくいってるときは落とし穴があるので、危機感も持ってしっかりとやれているかなっていう気持ちです。
――実際にキャプテンとしては、開幕前はどうチームを引っ張っていこうとしていましたか?
岸本 それぞれの選手がしっかり考えを持ってプレーしているので、僕がどうこうするってことはほとんどないんじゃないかなと思っていました。ただ、人よりも先に雰囲気を察するというか、何かおかしくなりそうだなって思った瞬間に行動を起こせるようアンテナは張っていますね。チーム状態が悪くならないようにするのも大事なんですけど、絶対悪くなる場面もあるので、そういう部分で去年の経験を活かせればいいなというのはすごく意識しています。
――具体的に言うと、声掛けだったりなどでしょうか?
岸本 そうですね。悪い時になると意見が言いにくい雰囲気になったり、逆に言い過ぎてしまう場面もあるだろうし。そういうところでは雰囲気を読んでバランスを取るよう意識して行動しようとは思います。
――キャリアのある選手も入ってきていますが、そのあたりで岸本選手自身が吸収してる部分もあるんですか?
岸本 そうですね。みんなすごく意見を言える選手が入ったので、勉強になるなとは思います。やっぱり気持ちというか、自分の考えを伝えてこそチームが固まると思うので。それが新加入の選手だと言いにくい部分もあるじゃないですか。そういうのも遠慮せずにというか、チームが良くなることを願ってみんな発言しているので、そこはすごく勉強になります。
――それでも、ずっと受け継いできた”キングスらしさ”みたいなものもあると思います。それはそのまま伝えていかなきゃいけないとも思うのですが。
岸本 いくらBリーグになったとはいえ、観に来てくれる方々はbjリーグ時代の強いキングスっていうのがすごく印象に残っていると思うので、そのイメージを崩さないようにというのは僕自身すごく意識してやってるつもりです。でも、Bリーグになって本当にワンプレー、ワンプレーが人に与える影響ってすごく大きくなったなって感じていてるので、一番大事なのは純粋に勝つためにプレーすることだと思うんです。なので、もちろん優勝するために色々な過程を踏んではいるんですけど、個人的にはパフォーマンスは常に最高のものでありたいです。沖縄のバスケットというよりかは、ファンの方が最後に見た岸本隆一が不甲斐なかったら嫌なので。
――佐々(宜央)ヘッドコーチのバスケットはどうですか?
岸本 もちろんコーチが変わればバスケットも変わるので、色んなシステムや約束事が去年と違って最初は苦労しました。けれど、それが徐々に定着して試合の結果として出始めてきていることにすごく充実感があります。今年で5年目なんですけど、一番やりがいを感じているシーズンかなと。
――開幕のあたりはもたついているのかなっていう感じがしたんですが、ここに来てガチッとしてきているなとも感じます。
岸本 もう、おっしゃるとおりです。大崩れしないゲームは徐々にできてきたかなと思います。序盤は失敗を次の試合でクリアしても、またその次の試合で同じ失敗をしてしまうというのが多かったんです。でも、最近はその試合であった失敗を次の試合ではクリアしています。そういうステップアップが本当に踏めてきているので、今はすごく固まってきていい状態じゃないかなと思います。