3月28日、アリーナ立川立飛でB1リーグ第25節が行われ、混戦が続く東地区で首位を守り続けるアルバルク東京が同地区4位の栃木ブレックスと対戦した。今季3度目、1試合のみの水曜開催となった今節だが、このリーグ屈指の好カードを見ようとチケットは完売。試合前から多くのブースターで熱を帯び、会場には3064名が詰めかけた。
試合はこの日欠場となったジェフ・ギブスに代わって先発に名を連ねた、セドリック・ボーズマンの連続得点でスタートした。A東京はアウトサイドを中心に加点しリードすると、開始4分34秒に田臥勇太から2つ目のファウルを奪ってベンチへ追いやることに成功。残り3分を切った時点で9-8と守り合いとなったが、同1分29秒に小島元基の3ポイントが決まると、そこから激しい3ポイント合戦となる。栃木は喜多川修平と渡邉裕規、A東京は竹内譲次が2本の長距離砲を沈め、20-16のA東京4点リードで第1クォーターを終えた。
第2クォーター序盤、A東京は引き続き外のシュートがよく決まり、ザック・バランスキーと安藤誓哉の連続3ポイントで点差を10点に。しかし、相手にタイムアウトを挟んで立て直されると、遠藤祐亮に10得点、ライアン・ロシター、生原秀将にバスケットカウントを許し残り4分時点で30-32とされる。終盤はアレックス・カークがインサイドで踏ん張り、39-39の互角でハーフタイムを迎えた。
後半も開始からA東京が抜け出す。安藤が先制点を挙げると、田中大貴がドライブからのレイアップと3ポイント、立て続けに菊地祥平、竹内の得点をお膳立てし再び10点リードを奪う。このまま突き放したいところだが、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「簡単にワイドオープンの3ポイントを打たせてしまった」と嘆いたように喜多川、遠藤に決められなかなか点差を広げられない。それでも、第3クォーターは竹内が2本の3ポイントを含む計12得点の活躍を見せ、24-17とした。
7点差でスタートした第4クォーターは、開始から点を取り合う白熱した展開に会場のボルテージはますますヒートアップ。開始4分1秒、A東京は田中がアタックして遠藤から4つ目の誘うと、それで得た2本のフリースローとジャワッド・ウィリアムズの3ポイントで75-68とした。試合終了残り4分31秒からは田中、バランスキーの連続3ポイント、小島のジャンプショットが決まって勝負を決めにかかる。なんとか食い下がりたい栃木だったが、9点ビハインドの同1分21秒に、ここまで攻守を支えていた遠藤が5ファウルで退場となり万事休す。ホームのA東京が最終的に12点差をつけて勝利し、今季の対戦成績を5勝0敗とした。
試合後、ルカHCは「選手たちがよく戦ってくれた」と口にしながらも、「90点取れたオフェンスは非常に良かった。しかし、我々はディフェンスのチーム。ここ数試合コンスタントにしっかりとしたディフェンスができていなく、そこをもう一度締めなおすことが今後の大事な課題」と表情が硬い。
それもそのはず。次節は中1日で同地区3位の川崎ブレイブサンダースとのアウェイ戦が控えている。前回相まみえた第19節ではホームで痛み分けとなった相手を、次はどう封じこめるかに注目したい。
【試合結果】
アルバルク東京 90-78 栃木ブレックス(@アリーナ立川立飛)
A東京|20|19|24|27|=90
栃 木|16|23|17|22|=78
文=小沼克年