2018.03.22
日本代表活動によるバイウィークを終え、Bリーグ各クラブは5月11日から始まる『B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18』進出に向け、大切な終盤戦を迎えることとなる。強豪ひしめく東地区において、首位を走るのがアルバルク東京だ。開幕前に日本バスケットボール協会でテクニカルアドバイザーを務めていたルカ・パヴィチェヴィッチ氏を新たにヘッドコーチに招聘し、外国籍選手も一新するなど、2シーズン目のBリーグを迎えるにあたり、クラブのバージョンアップを図ったA東京。今回、悲願のBリーグ初制覇に向けて、キーとなる3選手にたっぷりとお話を聞く機会を得た。その1回目は菊地祥平選手。今年34歳を迎えるベテランは、ハードなディフェンスでチームにエナジーを送り込む。
取材=バスケットボールキング編集部
写真=加藤誠夫
――オフェンスとディフェンスではどちらの指摘が多いのですか?
菊地 その状況によりますが、オフェンスではルカが求めているボールムーブ、全員が動いて誰か1人に頼らないことを大事にしてますし、パスの出どころなど、その1つにしてもルカ自身が求めているところにパスができないと怒られます。ただ、やっぱりディフェンスの方が多いと思います。今シーズン、ディフェンスを主体にしてチーム作りをしているので、相手よりアグレッシブではなかったり、相手を苦しませられてないなと感じていたら指摘されますね。
――1on1のディフェンスを「ヘルプなしで、1人で守れ」と口酸っぱく言われているように見えるのですが。
菊地 今シーズン、(ダバンテ)ガードナー選手(新潟アルビレックスBB)に40点オーバー取られたり、(ニック)ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)や富樫(勇樹)選手(千葉ジェッツ)に大量失点しているので、もっとヘルプに行けるし、チームで守ってないのではという印象を受けるかと思います。しかし、その選手だけにしかボールを触らせてないので、他の選手がボールを持っていないことに対するいら立ちだったり、終盤で3ポイントシュートが必要な場面で、それまでシューターがボールに触ってなかったから、シュートの感覚が掴めてないということもあるのです。僕らがヘルプを全くしてないわけではないですが、そういう戦術をルカは求めているので、そこで僕たちが勝手にヘルプに行って逆にシューターに気持ちよく打たれる方が、ルカの思惑ではありません。言い換えれば、(1人に)60点取られようが、自分たちがルカを信じてルカのバスケットを体現するだけだと思っています。
――「理屈はそうなんだけど」というような戸惑いは?
菊地 戸惑いました(笑) 特に最初の新潟戦は、その戦い方で勝ち切れてなかったので、自分たち選手も不満が出そうになったんですけど、夏からずっとやってきていた結果、僕たちの不満があることにも気づいてくれて。次の練習の時にルカが説明をして、「あそこはああなったけど、他の選手にはやられてなかったので、これを続けていけば結果は出てくる」と言ってくれました。その結果が、千葉や川崎戦にも1人に点は取られたけどしっかり勝てたので、そこはもう信じて今シーズンはやるだけだと思っています。
――現在東地区の1位。ルカが求めるバスケが完ぺきではないにしろやれているので、1位にいる、という実感は?
菊地 今シーズンは、このリーグで一番練習しているし、一番ハードに戦ってきているし、ディフェンス面ではどのチームにも負けないと思っています。僕たちよりもいいプレーを相手がした時に初めて始めて負けるだけだと思っているので。相手のタフショットがずっと入ったり、僕たちのディフェンスを超える戦術をしてきたという試合に関しては、学習してまた強くなればいいだけなので、僕たちがやることは変わらないかな思います。
――元々、ディフェンスが“売り”でした。しかし、ベテランになってからの方がさらにハードに守るようになった印象があります。
菊地 僕は8:2、9:1くらいでディフェンスに重きを置いていて、相手チームの点取り屋やボールを多く持つ選手にマッチアップすることが多いので、その選手をいかに“潰す”かを第一に考えています。僕が0点でも、その相手が1ケタ得点だったら僕の勝ちだと。その状況に至るまで、いやらしくやるし、相手が気持ちよくシュートに行くならファウルを4つを使う覚悟で臨みます。試合終盤なら5個目もいといません。後には雄大もいるし、フォワードとして覚醒しているザック・バランスキーもいるので、自分の仕事をやるだけですね。
――点差が開いても容赦ないですね。
菊地 同地区内なら、全部で6試合あります。点差が開いても、最後にいい印象を与えてしまうと、次の試合で「この前、最初はダメだったけど後半はやれたから今日の試合はいける」というように思わせたくないのです。「今週、アルバルクだな、嫌だな」って思わせたら、試合の入りの段階で勝ちなのですから。
――ルカのバスケットが浸透して、勝てるって確信が持てるようになった中で、後半戦、チャンピオンシップ(以下CS)に向けてどのように戦っていきたいですか?
菊地 東地区では、1、2週と気が緩んで負けてしまうと、CS圏外まで落ちてしまう可能性もあるので、いかに取りこぼさないか、自分たちの試合をするかということだと思います。「今日なんかおかしくて負けちゃったな」という試合があればすぐに崩れてしまうので、僕たちベテランがそういう試合の入りをしないさせないようにすることがまず一番の目標です。あとは、うちのディフェンスにアジャストして、だったら1人で40点ではなく、60点取ってやろうってチームが出てくると思うので、その対策をいかに早く進めるかもカギを握ると思います。
――ルカHCは翌週の対策にも多くの時間を割くと聞きました。
菊地 これまで自分が関わってきたHCの中では一番だと思います。最初は自信がないのかなって思いました。しかし、これは今までずっと続けてきていて、「常に確認して負けた理由を少しでも消す」、「準備不足にはしたくない」という理由のようです。毎日30分以上ミーティングして、忠実に練習で再現するので、相手がそのフォーメーションをしてくると「多分これだな」ってわかります。ディフェンスは相手にボール持たせる前が勝負なので、最初から削ってボールを持つ選手を孤立させるというのが一番だと思います。あそこまで準備できるのは凄いなと感心します。
――東地区の戦いは厳しいです。
菊地 毎試合CSみたいな気持ちで戦っています。だから逆にCSに入った時に、これだけ緊張の糸を切らさずに戦えているので、プラスになっていますね。特に若い選手も多いので、このようなことをたくさん経験でき、毎試合毎試合、成長できていると思います。
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