「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」クォーターファイナル、最も注目された千葉ジェッツvs川崎ブレイブサンダースの一戦。5月13日、第1戦を大差で敗北を喫して後がなくなった川崎ブレイブサンダースは、24時間後にスタートした第2戦、心も体もしっかりと切り替えて激しいディフェンスからペースをつかみ、1勝1敗のタイに持ちこんだ。すべてを出しきった第2戦の影響からか、第3戦は少しずつ足が止まっていき、厳しい展開。最後の最後まで気持ちを前面に出して戦い抜いたが、勝利をつかむことができず、クォーターファイナル敗退となった。
試合後、北卓也ヘッドコーチは、相手への敬意を払いながら敗戦を悔やんだ。
「選手たちは本当によくがんばってくれた。1勝1敗に持ちこんで、第3戦までタフに戦ってくれたことに対してうれしく思う。アウェーの千葉にもたくさんのファンが足を運んでくれて、川崎コールの大声援を送ってくれたので選手の後押しになった。残念ながら負けてしまったが、千葉はやはり素晴らしいチームで、タフで、勝ちあがるに値するチームだと感じている。次に向けてがんばってほしい。やはり第2戦でプレーイングタイムを分散させられなくて、第3戦で疲労の色が少し見えていた。プレーイングタイムを分散できれば、第3戦の体力やディフェンスする力は残っていたのかなと思う。これは本当に私の責任です」
シーズン終盤に右足首のケガを負いながらも懸命にプレーし、チームをけん引した主将の篠山竜青は「しっかりと第1戦から切り替え、チーム全体でエナジーを持って戦えた。最後に足にきてしまい、それが響いてしまったと思う。今日はベンチにいる時間が多かったけど、チームメートのディフェンスや球際への競り合いなど見ていて感動したし、頼もしかった。それに自分も応えられるようにプレーしたかったけど、体現できず、反省とともにチームメートに申し訳ない気持ちです」と悔しい表情を見せた。
シューターの辻直人は、シュートを打ち続けるもフィールドゴールを1本しか決めることができず。責任を感じながら、「シュートタッチは悪くなく、ゲーム前の練習でもタッチは良かった。何が原因で入らなかったのか、自分でもわからない。それでも周りは『シュートを打ち続けろ』と言ってくれ、空いたら打とうと決めていた。相手のホームの強さもある中、あと一歩のところまでいけたけど。自分がシュートを決められていれば勝てたと思う。その責任は大きかった」と、言葉をかみしめるように語った。
ディフェンスからチームの流れを作った栗原貴宏は「負けたのは自分の力がなかったと思うし、それでも選手全員が同じ方向を向いて戦えていたと思う。ミスを恐れずに思いきりプレーしていたと思うが、1つのミスなど細かいところで届かなかったのかなと感じている。だけど次に、来シーズンにつながるゲームができたかなと感じている」とコメントした。
力を出しきって、自分たちらしさを表現した上での敗戦。昨シーズンのファイナルまで進んだ男たちのリベンジは、船橋の地で終わる形となった。しかし、その戦いぶりは来シーズンにつながるものになっただろう。
文=鳴神富一