勝てばB1残留が確定する「B1 残留プレーオフ 2017-18」2回戦、片柳アリーナで行われた一戦は激闘の末に横浜ビー・コルセアーズが79-76で富山グラウジーズを下した。横浜は昨季同じ舞台で敗れた富山にリベンジし、B1残留を勝ち取った。
立ち上がり、レギュラーシーズンでもファウルトラブルに陥ることが多かった富山は開始2分弱で早くも5ファウル。川村卓也のフリースローで先制した横浜は、さらにハシーム・サビート・マンカもフリースローを決めたところから実に14-0のラン。5分以上無得点の富山は残り2分を切ってようやく上江田勇樹が外から2本射抜くものの、第1クォーターは21-12と横浜が9点リードした。
第2クォーターに入ると富山も宇都直輝を中心にゴールに向かい始めるが、横浜もサビートのアリウープダンクなどで主導権を渡さない。しかし、1回戦の島根スサノオマジック戦でアタックの重要性を思い知らされた富山は、リングアタックを継続。デクスター・ピットマンのポストプレーも機能し、点差が詰まっていく。得意の速攻から上江田の3ポイントも決まり、41-34と富山が7点差に迫っての折り返しとなる。
攻勢に転じた富山は、後半の出だしからサム・ウィラードが多彩な得点パターンを披露して一気に逆転。横浜も川村とサビートが得点を重ねるが、スイッチの入った富山のオフェンスを止めることができず、このクォーターだけでウィラードに18得点、宇都に6アシストを許す。宇都のアシストからウィラードがダンクを叩きこんだところで30分が経過し、60-58と富山がリード。
第4クォーターは、宇都やウィラードのリバウンドから速攻を繰り出した富山が68-62と前に出る。しかし、満田丈太郎の3ポイントが炸裂したあたりから横浜にも速い展開が生まれ始め、残り2分を切って同点。さらにジェフリー・パーマーの3ポイントで、残り1分10秒で3点リードを奪う。富山は3ポイント攻勢に打って出るが決まらず、残り15秒からのラストオフェンスでも大塚と宇都の3ポイントが不発。横浜に歓喜の時が訪れた。
勝利インタビューで「富山のブースターさんも凄かったが、ビーコルブースターがそれを上回った」と語ったのは尺野将太ヘッドコーチ。中立地に両者のブースターが集結し、異様な雰囲気に包まれたこの決戦。観客動員では昨季に続いてリーグ上位に食いこんだ横浜が、ブースターに背中を押されてB1残留をつかんだ。
文=吉川哲彦