4年に一度の世界選手権で日本代表が躍動
7月6日から14日の期間、アメリカのギャローデット大学にて「第3回U21デフバスケットボール世界選手権」が開催され、男女日本代表チームが出場した。
デフバスケットとは、聴覚がい害者同士によるバスケットを指し、ドリブルの⾳や味⽅、監督の声などが聴こえにくい、もしくは全く聴こえない状態でプレー。同大会は2002年から4年に一度のサイクルで行われ、今回男子は計10チーム、女子は計5チームが参加した。
予選Bグループに入った男子代表は、ポーランド、ギリシャ、スペイン、カナダと同組となり、初戦でヨーロッパ選手権で優勝したスペインと激突した。試合は津屋一球の26得点13リバウンド7アシストを筆頭に、長田拓巳が20得点6リバウンド4アシスト、越前由喜が19得点8リバウンドでチームをけん引。65-61で競り勝って“ジャイアントキリング”を達成するとともに、ヨーロッパ勢から初勝利を挙げた。
2試合目のポーランド戦ではリバウンドを制圧され60-88で大敗したが、続くカナダに102-44、ギリシャには92-49で快勝。日本はスペイン、ポーランドととともに予選リーグを3勝1敗で終了。得失点差で3位となり、決勝トーナメントへ進出した。
強豪スペインを撃破した男子代表は、3勝1敗で決勝トーナメントへ
決勝トーナメント初戦はデフバスケA代表で世界ランキング1位のリトアニアと対戦した。190センチのポイントガードに加え、2メートル超えのインサイド選手2人を擁する相手に対し、日本は感情コントロールの未熟さを突く対策で27点差勝利。準決勝は予選で大敗したポーランドに91-66でリベンジを果たし、決勝戦へ駒を進めた。
決勝の相手はバスケ大国であり開催国のアメリカ。激しい当たり合いの中、日本は果敢にゴールへアタックしたが、序盤で流れをつかめずリードを許す展開。後半は立て直したが、追いつくことはできず最終スコア63-81で敗れた。
惜しくも銀メダルとなったものの、ヨーロッパ勢から4勝を挙げ、初のアメリカ大陸のチームにも勝利。アジア太平洋勢で初のメダルを獲得した日本は、大会のベストチームにも選ばれ、MVPと得点王に津屋、ベスト5には長田が選出された。
なお、女子代表も決勝戦まで進出し、男子と同様にアメリカと対戦。試合は63-79で敗れたが、U21デフバスケ代表は男女そろって世界2位の快挙を成し遂げた。
デフバスケは今後、大阪、和歌山を拠点とする誠familyデフバスケットボールチームが11月から「第4回 DIBF アジア太平洋クラブカップ」に参戦。7月23日から8月31日までは、クラウドファンディングにてメダル獲得へ向けた資金を募っている。
【男子試合結果】
・予選リーグ
日本 65-61 スペイン
日本 60-88 ポーランド
日本 102-44 カナダ
日本 92-49 ギリシャ
・決勝トーナメント
1回戦
日本 85-58 リトアニア
準決勝
日本 91-66 ポーランド
決勝
日本 63-81 アメリカ
【女子試合結果】
・予選リーグ
日本 77-65 トルコ
日本 50-71 アメリカ
日本 63-56 イタリア
日本 81-48 リトアニア
・決勝トーナメント
1回戦
日本 75-53 トルコ
決勝
日本 63-79 アメリカ
情報提供=上田頼飛氏(デフバスケットボール男子日本代表監督)
写真=特定非営利活動法人日本デフバスケットボール協会