10月4日に船橋アリーナでB1リーグ2018-19シーズン開幕戦が行われ、川崎ブレイブサンダースが千葉ジェッツと対戦。試合序盤に辻直人の連続3ポイントシュートなどで8-0のランに成功すると、第2クォーター、第3クォーターに一時リードを許しながらも最終スコア81-72で勝利を収めた。
昨シーズン1試合平均25.2得点を挙げた帰化選手のニック・ファジーカスを「100パーセントではない。私の判断で出さなかった」(北卓也ヘッドコーチ)との理由で欠く中、シックスマンの藤井祐眞が躍動した。第1クォーター残り2分51秒にコートに入ると、同2分2秒にジャンプショットを決め、同1分12秒にディフェンスリバウンドからの速攻でレイアップを記録。続く第2クォーターに6得点、後半に8得点を重ね、終わってみれば辻に次ぐ18得点に加え2リバウンド2アシスト3スティールをマークした。
「個人的に出だしがすごく良くて、控えの僕がハッスルしなければいけないと思っていた。また、セカンドチームを自分が引っ張る気持ちでいる。点差を広げたり、縮めたりしていきたい」
日本代表にも名を連ねる大黒柱が不在で、藤井は「総力戦になると思っていた。『みんなでやろう』と話していた」と明かし、「起点がなくなったが、アウトサイドを中心に、ボールと人が動くパッシングゲームができた」とコメント。実際に藤井や篠山竜青がボールを動かし、最後はシェーン・エドワーズやバーノン・マクリンがフィニッシュに持ちこむシーンが見受けられた。藤井はシューティングガードのポジションもこなし、積極的にゴール下までアタック。63-57で迎えた第4クォーターの開始1分54秒にはバスケットカウントを奪い、チームを奮い立たせるように雄たけびを上げた。
「出ている時間、出ているメンバーによって、どういうプレーが一番いいのか考えながらやっていきたい。辻さんやニックが出ていない時は、昨シーズンまで得点面での不安があった。それをどう改善していくかやりながら考えていて、そこで僕が積極的に攻めることができれば、起点ができるのかなと思っている。2番(シューティングガード)のほうがその意識は強い」
また、ディフェンスでも奮闘し、富樫勇樹にこそ18得点を与えたが、田口成浩や石井講祐といったシューターを徹底マーク。「まずシュートを打たせないこと」、「トランジションバスケの相手に走られたくないのでスプリントバックすること」などを意識していたという。
最後に「まだ完成形ではないと思っている。川崎らしいバスケットをしていかなければ」と決意表明。ファジーカスが6日の第2戦に出場するかどうか「まだわからない」(北HC)状態だが、強い意志を持ってBリーグ3シーズン目に臨む藤井がチームを勝利に導いてくれるだろう。