Bリーグ2018-19シーズンはB2が9月28日にスタートし、B1が10月4日に行われた千葉ジェッツvs川崎ブレイブサンダースの一戦で開幕。今回は昨シーズンのチャンピオンシップに進出した京都ハンナリーズの練習場を訪れ、リスタートするチームの今を聞いた。
京都ハンナリーズは2017-18シーズン、34勝26敗で西地区2位となり初のチャンピオンシップに出場。勝利を挙げることはできなかったものの、シーズン当初に掲げた目標をチームワークで達成し、大きな成長を遂げた。今季で10周年を迎えてさらに上を目指すはずだったが、オフシーズンに続いた所属選手の不祥事により、チーム作りにも困難が生じた。
秋田ノーザンハピネッツとの練習試合が、シーズン前の最終戦となった京都。開幕まで10日となったこの日、チームを率いて8シーズン目となる浜口炎ヘッドコーチでさえ、「今年はまだシーズンを見通せない」と率直に語った。「ケガ人もおり、練習ではまだ10人がそろっておらず、チーム内で5対5もできていない。本来ならお盆明けからは外国籍選手も加わりキャンプを行うので、6週間は遅れているイメージ」だという。
その待望の新外国籍選手、デイヴィッド・サイモンが来日したのが、シーズン開幕まで3週間を切った9月19日。昨季の韓国バスケットボールリーグ(KBL)で得点王に輝いた208センチ116キロのビッグマンは、22日に行われたプレシーズンマッチの島根スサノオマジック戦でデビュー。26日の秋田戦後、浜口HCは、「サイモンはすごくいいですね。プレーエリアも広いし、3ポイントも打てる。パスが上手ですし、今日みたいに激しい相手とやっても、ボールを預けられるので、チームとして落ち着ける。ジョシュア(スミス/富山グラウジーズ)とはタイプが違いますが、オフェンスはバリエーションも出てくると思います」と期待を口にした。
しかし、チームの仕上がりの遅さや今季の展望よりも、浜口HCは気にかけていることがあるという。
「本来、チームの創立10周年で、チームとしてはステップアップするのみでした。西地区で優勝し、チャンピオンシップでさらに上を目指すというところが、不祥事が2つ続きました。先日、チームの結団式があったのですが、結果よりも、『チームの信頼を回復し、京都ハンナリーズらしいプレーをやっていこう』ということを選手、フロントを含めてチームで確認しました。数字よりも、もう1回チームを立て直していきたいと思います。幸いチームには若い選手の見本になれるベテラン選手がいます。彼らがハードワークして、その姿勢から学んでくれたらとも思っています」
そのベテラン選手の1人が、昨季に続いてキャプテンを務める内海慎吾である。「もう一度、京都というチームがファンに応援してもらえるようにがんばっていきたいですね。京都らしさ、というと、各個人が全力でバスケットボールに取り組んでいる姿勢になると思います。僕もそうすが、岡田(優介)、片岡(大晴)、綿貫(瞬)といったベテランが積み重ねてきたもの。彼らが全力を尽くしてきた結果が、京都らしさにつながったと思っているので、ベテラン選手は引き続き自分たちがやることを100パーセントでやって、それを若い選手が見ることで、ハンナリーズの文化や姿勢になっていくんじゃないかな、と思っています」
コートでの練習だけではなく、9月にはBリーグの大河正明チェアマンを迎えた講話やグループディスカッションを行うなど、チームの建て直しを図っている京都。開幕戦は10月6日、アウェイで三遠ネオフェニックスとの対戦となる。試合の結果とともに、チームのこれからに注目したい。
取材・文=森本茂樹