レギュラーシーズン最終戦で課題を見つけたA東京と北海道。同時にポストシーズンに向けて手ごたえも実感

A東京はチャンピオンシップへ、北海道は残留プレーオフに進む[写真]=B.LEAGUE

リバウンドは北海道が制するが、ターンオーバーで勝機を逃す

 4月21日、Bリーグのレギュラーシーズンの最終戦が行われ、アリーナ立川立飛ではホームのアルバルク東京レバンガ北海道が対戦した。すでにチャンピオンシップ(CS)進出を決めているA東京に対して、北海道は残留プレーオフに回ることになっているものの、ともにプレシーズンをにらんでの戦い。前日同様に激しい攻防が繰り広げられたが、A東京が81-74で北海道を破り、ホームのラストゲームに花を添えた。

 この試合で目立ったのが北海道の粘りだ。バイロン・ミュレンズデイビッド・ドブラスの外国籍勢を軸に2人のゴール下での合わせが随所に出て、A東京を苦しめた。普段はあまりファウルの数が多くないA東京が北海道に20本のフリースローを献上するなど、思いどおりのプレーをさせてもらえなかったのも事実のはず。リバウンドの数では北海道雄41に対して、A東京は21本と20本差、シュートを落とした後のフォローの得点も16-3で北海道が大きく上回った。

 その反面、北海道は23本のターンオーバーを犯してしまった(A東京は6本)。これはA東京の激しいディフェンスによるものがほとんどだが、ターンオーバーからの得点がA東京の29に対して、北海道は4、ファストブレークの得点もA東京が18-7とし、北海道の追い上げも自身のミスが響き、A東京のしっぽをつかむまでには至らなかった。

「CSに向けてさらに気持ちを引き締めなければいけない」とルカHC

 試合後の会見で北海道の内海知秀ヘッドコーチは「昨日と今日の2試合、A東京のタフなディフェンスやオフェンスに対して選手たちはよくやってくれた」と評価した。しかし、「ターンオーバーの多さ、そこからの失点をクリアできなかった。これはレギュラーシーズンを通じて解決できなかった課題でもある。選手たちは最後まで戦ってくれた。それを勝利に結びつけられなかったのはスタッフの責任」と、シーズンを総括。今週末に控える残留プレーオフについては、「やはりタイトなディフェンスでどれだけ失点を抑えられるのかがカギを握る。リバウンドの面ではやれたのだから、これを大事な一戦に向けて維持したい」と手ごたえを語りつつ、「我々には(B1残留という)大きな仕事が残っている。この2試合ではいい面もあったので、それを継続させたい。何とか頑張りたい」と決意を口にした。

「北海道の強さを感じた2日間だった」と語ったのはA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ。北海道に20本もの差をつけられたリバウンドに関しては「最低な数字」と語り、「ディフェンスは相手にシュートを落とさせても、それをいかに拾うかが大切。練習やゲームでも意識させているが、ディフェンスリバウンドの数を増やすことが必要」と、来るCS準々決勝、新潟アルビレックスBB戦に向けての課題とした。

 今シーズンを振り返ると、「チームは成長したと思うが、もっともっとレベルアップしたかった」とルカHCは本音を漏らした。その理由を「開幕前は思うように時間が取れず、代表の活動で主力の3選手(竹内譲次田中大貴馬場雄大)が抜け、水曜日に試合が増えるというタフなスケジュールは悔やまれるところ」と語った。その中で迎える新潟戦について、「(ダバンテ)ガードナーのインサイドは強力なのはわかっているが、外角を活かすシステムが構築され、ディフェンスについても昨シーズンより良くなっている。さらに相手のホームコートで戦うことでプラスαの力がアドバンテージにもつながるだろう」と警戒の色を深める。「タフネスさとフィジカルでの強さが勝敗をポイント」と分析した。

 さらにCS連覇に向けて質問が及ぶと、「優勝したことで得た達成感をいかに消すかが重要だ。去年のことは去年のこと」とシーズン中から選手に語っていたことを明かした。「反対に他のチームは敗れた悔しさを晴らそうと向かってくる。我々もCSに向かう気持ちをさらに引き締めなければいけない」と決意を新たにした。A東京も2連覇がかかるCSに向けて、急ピッチに準備を進めることとなる。

文=入江美紀雄

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