1月10日、「第86回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」のファイナルラウンド準々決勝が行われ、第2試合で三菱電機コアラーズと日立ハイテク クーガーズが対戦。試合は一時10点ものリードを奪われた日立ハイテクが猛追を見せ、第4クォーター残り31秒、日立ハイテクの鈴木知佳がフリースローを2本沈め、延長戦に突入した。
相手のオフェンスをことごとくつぶし合うディフェンス合戦となったこの試合、延長戦では同点のフリースローを決めた日立ハイテクの鈴木が3連続ポイントを挙げて逃げ切りを図るが、三菱電機も川合麻衣の3ポイント、小菅由香の速攻で食らいつく。残り21秒には渡邉亜弥が速攻を決めて一歩抜け出したかに思えたが、日立ハイテクも北村悠貴が残り12秒で同点となるレイアップを決めて諦めない。
ここで三菱電機ベンチはタイムアウトを請求。最後のプレーを古賀京子ヘッドコーチが指示。すると再開後のプレーで渡邉からのアシストを受けた小菅が決勝シュートを決め、熱戦にピリオドを打った。
試合後、メディア対応に臨んだ渡邊は「年明け一発目の試合で、なおかつ久しぶりだったので、自分たちも気合いは十分入れていたのですが、まだまだだったかなと思います。明日に備えてしっかりと修正しないといけないですね」と反省のコメントが口をついて出た。
決勝点を演出したアシストについて聞かれると「同点だったので(ダメでも)もう5分やろうという気持ちでいたんですけれど、最悪12秒使い切ろうと。ここまで無理に攻めてミスしたり、相手にボールを奪われたりしていたので、冷静になろうと一度引きました。その時にノーマークができたので、冷静に見極めることができたのが良かったかなと思います」と解説。古賀HCのデザインしたプレーを止められた後、相手のディフェンスの穴を見逃さなかった渡邉のプレーは称賛に値する。
最後に明日の準決勝の対戦相手、デンソーアイリスについて問われると、「スタートが大事ということは練習から意識はしてやってきました。一発勝負(のトーナメント)では先に勢いがついたチームが勝つと思っています。今日、デンソーさんは結構空いていたと思うんですけれど、うちは苦しいゲームを勝ち切りました。この勢いで自分たちももう一度気を引き締めて一発勝負に挑んでいきたいと思います」。相手の徹底マークに苦しみながらチーム最多の12得点を挙げたエースは、デンソー戦に向けて気持ちを新たにした。