コロナ禍で大会が中止となり、進学に向けたアピールの場を失った高校生アスリートに向けて、大会に代わるプレーアピールの機会を提供するために、ラグビー元日本代表の野澤武史氏、廣瀬俊朗氏を中心としたメンバーで始めたムーブメントが「#ラグビーを止めるな2020」だ。
高校生が自身のプレーアピール動画を作成し、上記のハッシュタグをつけてツイッターにアップすると、それを有名選手やラグビーファン、関係者がRTし進学のチャンスにつなげるという取り組みは、各種メディアで取り上げられたこともあり急速に拡散。実際に複数の選手がこの動画投稿をきっかけに大学進学や、トップリーグ入りのチャンスをつかんだ。
当初、ラグビーとバスケットボールの2競技ではじめたこのムーブメントだったが、ほどなくハンドボール、柔道などの競技でも自発的に同じ取り組みが始まり、競技の垣根を越えた「スポーツを止めるな」ムーブメントとして広がりを見せている。今回発足された一般社団法人「スポーツを止めるな」は、このムーブメントを一過性のもので終わらせず、より拡大、発展させるための推進母体となるために設立された団体。今後、様々な施策を企画しているが、その中から注目したいものを紹介しよう。
「青春の宝」プロジェクトは、新型コロナウィルス感染症の影響で最後の試合を待たずして引退してしまった選手たちの『思い出の試合』に、トップ選手などによる本格的な解説と実況を付けてプレゼントするもの。同法人では「30年後の同窓会でもこの映像を見てくれると考えます。選手とご父兄にも、そのスポーツをずっと応援して頂くきっかけを作る思いを込めたプロジェクトです」と太鼓判を押す。
すでにラグビーでは取り組みがスタートし、宮城県石巻工業高校ラグビー部の「青春の宝」映像に元ラグビー日本代表の五郎丸歩選手と社団代表理事で元ラグビー日本代表の野澤武史氏が解説を加えたものが出来上がったとのこと。今後はバスケットボールでも、日本代表の富樫勇樹(千葉ジェッツ)が高校生の試合解説をした「青春の宝」映像の部員へのお披露目を予定されている。