3月7日、川崎市とどろきアリーナではB1第26節第2戦が開催。川崎ブレイブサンダースに特別指定選手として加入している米須玲音が、ホームデビューを飾った。
現在、東山高校3年生の米須は、1月13日に川崎へ特別指定選手として加入した。同選手がここまで出場した計3試合はすべて敵地での試合だった。ホームデビューの瞬間が訪れたのは、最終クォーター残り4分54秒。残り1分54秒には、得意のパスで篠山竜青の得点を演出すると、残り44秒にはアウトサイドからシュートを沈め、ホーム初得点を記録した。
試合後に、記者会見に臨んだ佐藤賢次ヘッドコーチは「最後には米須選手も出場しましたし、全員で良い試合の形にできました」と試合を振り返った。米須について「彼がチームに加わった時からなるべく前半から使いたいと思ってはいましたが、ケガをさせないようにという思いもあってなかなか使いきれない部分がありました。それでも、出た試合では自分の持ち味を必ず全て発揮するのは本当にすごいと思います」と評価した。
さらに「プロの中に入って一緒に生活しプレーしたことで、オフェンスのスペーシングもそうですが、チーム内で使われる用語のひとつひとつを覚えることから、実際に動きにするまでを試合が続き全員で練習できる機会がない中でも自分で研究してそれを実践できるところまでいったのは本当に成長したなと感じます」とその成長ぶりを誉め称えた。
また、ホームデビューを飾った米須は「今日は初めてホームコートで出場できて本当に良かったと思っています」と心境を明かし、「(佐藤)賢次さんからはいつでも試合に出られるようにと言われていたので、ベンチでも、自分が出た時にマッチアップする選手を見たり、いつでも出られるよう準備をしていました」とコメント。
米須は、3月12日から13日にかけて行われる『第96回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会』終了時までチームに帯同する。Bリーグでの試合は、これがラストゲームとなった。ラストゲームで米須は、約5分間の出場で、4得点1アシストを記録。これについては「先輩たちからも『思い切りやれ』と言われていたので、自分がボールを持ってシュートをすることもできましたし、アシストすることもできて良かったです」と胸をなでおろした。
「デビュー戦はアウェーで、プロの試合に出ることは達成できたので良かった部分はありましたが、やはり帯同する最後のホームゲームでは出たい思いもあったので、試合に勝つことが最優先ではありますが、その中でも自分が出ることがあったらやるべきことをやってチームの雰囲気を良くしたいという思いがありました」
米須は、チームに帯同した約2カ月を振り返り、以下のようにコメントした。
「出場した全試合でアシストをすることができたことは評価したいと思います。苦手としているディフェンスも最初は苦戦したのですが、練習を重ねる中で自分なりのディフェンスを出来るようになったのではないかなと思います。川崎はオールコートで激しくプレッシャーをかけていくディフェンスのチームなので、自分もガードとして大学でそういうプレーができるようになりたいと思いますし、課題だと感じた身体づくりにも大学1年目ではしっかり取り組んで、どの選手とも戦えるプレーヤーになっていきたいです」
プロの舞台を経験し、さらなるステップアップを目指す若き司令塔に今後も目が離せない。