1月6日、さいたまスーパーアリーナで「第93回天皇杯・第84回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会」ファイナルラウンド(男女準々決勝~決勝)の男子準決勝第1試合が行われ、千葉ジェッツが京都ハンナリーズを100-63で退けた。
試合開始から千葉をけん引したのはキャプテンの小野龍猛だ。ミスマッチを突いて攻撃の起点となり、連続得点、さらにはアシストでチームに勢いを呼び込んだ。チームも激しいディフェンスから走る千葉のバスケを体現。第1クォーター、京都の得点を11に抑え、千葉が完全にイニシアティブを握った。
試合後の記者会見で小野は「出だしからアグレッシブに行けました。自分たちの走るバスケができたと思います。いいゲームでした」と胸を張った。さらに「僕にボールが入ったら、周りもしっかり動くように指示を受けています。今日の試合はチームメイトがよく見えていましたし、(周りが動いてくれるので)パスも出しやすかったです」と、チームとしてオフェンスのリズムを作り出していたことを強調した。
「うちはハーフコートのバスケをしたら並のチーム。トランジションゲームをすればこそチャンピオン」と語ったのは千葉の大野篤史ヘッドコーチ。「そのためにはディフェンシブ・リバウンドとルーズボールを確実に奪わなければいけません。オフェンスにつなげるためには苦をいとわない。自分たちがやるべきことをやり切ることが大切」と、千葉が目指すスタイルを語ってくれた。
こうして、千葉は2連覇に向けて決勝戦へとコマを進めた。大野HCは、「富樫(勇樹)がケガで欠場、その他の選手のコンディションも万全ではない中、チームとしてやりたいバスケができています。もう1試合、個の力を結集して力を出し切るだけ。40分間、自分たちのバスケができればいい」と、対戦相手がどこであろうと自分たち次第であることを強調した。「(シーホース三河、川崎ブレイブサンダースと)どちらが来ても強敵に変わりはない。ただ、ヘッドコーチが言うように自分たちがやれることをやるだけ。それにフォーカスしたい」と、小野も大野HCに同調だ。チーム全体で戦う千葉は、スタッフ、選手ともに勝利に向けてまったくぶれを感じさせない。
文=入江美紀雄