3月13日、さいたまスーパーアリーナにて『第96回天皇杯・第87回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会』のファイナルラウンド決勝戦が開催。宇都宮ブレックスと川崎ブレイブサンダースが対戦した。
比江島は、アルバルク東京との準決勝では、約13分間の出場で、2得点、1アシストと鳴りを潜めていた。しかし、決勝戦では本来の輝きを取り戻した。ベンチから出場した比江島は、第1クォーター残り3分35秒にコートイン。コートに立つとすぐさま、相手のオフェンスファウルを誘発する。攻めても、3ポイントシュート2本を沈め、インパクトを残す。
比江島は「難しい試合展開になったんですけど、我慢して我慢して。でも大事なところでターンオーバーだったり、やられてはいけない選手にやられたり」と試合を振り返る。一方、「3ポイントを決められてよかった」とも明かし、続けて「これからは勝ち切るところをリーグ戦に向けてやっていきたいと思います」とコメント。
対する川崎は、ルーキー・増田啓介がチーム最多の13得点をマーク。しかし、比江島はターニングポイントを、第3クォーター辻直人の連続3ポイントシュートと分析する。「(辻は)シュートを決めた時は乗ってしまいますし、やっぱり辻さんのところはもっと注意を払うべきでした」と悔しさをにじませた。
徐々にプレータイムを伸ばしている比江島「ゲーム勘も取り戻せている」
比江島は、昨年12月9日に負傷。1月27日に復帰するも、1月30日に再度負傷し、ケガに苦しむシーズンを送っている。その中でも、徐々に調子を取り戻し、比江島自身も「アグレッシブにやろうと思っていた」と明かしたように、この試合では3ポイントシュート2本を含む計12得点を挙げた。
「ディフェンスのところでもっとできたと思います。今日もやられてはいけないところで、やられてしまいましたし、ローテーションミスもありました。ケガ前はそこも手応えをもってやれていましたし、ディフェンスの部分で修正していきたいです。ヒザも良くなって来ていますし、ゲーム勘も取り戻せているので、しっかりアタックして、アシストやフィニッシュをもっと精度をあげていきたいです」
しかし、「相手がスイッチディフェンスをしてきた時に、昨日は出せなかったですけど、自分の持ち味であるドライブで、もっと行くべきところはあったと思います」と反省点も述べる。「今後も川崎との対戦があるので、しっかりとアタックして活路を見出していきたいと思います。もっともっとアタックして、思いっきり打つところで打たないと流れが悪くなるので、ちょっとした迷いがあったと思います。またしっかりと集中していきたいなと思います」とリーグ戦を見据えた。
ケガに悩まされた日本の点取り屋。徐々に試合への感覚を取り戻し、チームを地区優勝、そして自身初となるBリーグ制覇に向けて、さらなる活躍に期待したい。