宇都宮ブレックスは9月5日、6日の2日間、ホームの足利市民体育館で行われたプレシーズンゲームを2連勝で終えた。
宇都宮は昨シーズン終了後、他チームへ期限付き移籍をしていた選手を含めると計5選手が退団となった。それでも、戦力ダウンを全くと言っていいほど感じさせないのは、ライアン・ロシターや比江島慎、遠藤祐亮など昨季までの主軸が変わらないからだ。そこに、合流から間もないながらもプレシーズンゲームでさっそく存在感を示したジョシュ・スコット、未だチームに合流できていないが、スラッシャータイプのLJ・ピークが加わった。今季も優勝候補筆頭のチームだということは言うまでもない。
6日の試合後、安齋竜三ヘッドコーチは2日間の出来を振り返り、「B1で戦っていくには、どれだけ相手にやりたいことをやらせないか、基本的な部分をしっかり強度を上げてできるかどうかがが大事」と再認識したようで、選手たちへさらなる競争意識を促すようにこう話した。
「今は選手も平均的に使っていたりしていますけど、今シーズンどう使っていくかという判断をこの後の何試合かでしていかなければいけないです。全員がゲームの出だしからしっかりやれるような準備をしておいてもらいたいですし、勝っていくためにはそこが重要だと思っています」
2度目のBリーグ制覇へ、今季も継続路線を選択した宇都宮。だが、チームは新たなテーマを設けて来たるべきシーズンに備えている。「今季の1つのテーマとして、オフェンスでは個人個人が持っているスキルや良いところを、より宇都宮のバスケットの中で出していくかというのが目標です」
指揮官がそう明かしたように、今季はチームバスケットを遂行する中でも、いかに自分の色を出せるかが選手たちに求められることになる。「オフェンスに関しては、自分たちが持っているスキルをどれだけ発揮しようとするか。できるかっていうのもありますけど、まずしようとしないとできないので」と、今回のプレシーズンゲームにおいて、安齋HCは各選手がその姿勢をどう見せるかを1つのチェックポイントとしていたようだ。
宇都宮は12日以降も毎週プレシーズンゲームが組まれており、選手たちはその一つひとつの試合がアピールの場となるだろう。個人個人がプレータイムを勝ち取るべく切磋琢磨すれば、自ずとチームの底上げにもつながる。安齋HCの狙いは、そんなところにもあるのかも知れない。
文・写真=小沼克年