10月2日から開幕するBリーグ。B1に所属するクラブは昨シーズンの18から2つ増えて20となり、それにともなって東西2地区制へと変更となった。また、ベンチ入りできる外国籍選手が2選手から3選手になるというルール変更が行われたため、開幕5年目を迎えるBリーグでの戦い方は、大きく変化すると想定される。そこで、バスケットボールキングでは、B1全20チームのヘッドコーチにインタビューを行い、今シーズンの戦い方や目標などを聞いた。
第5回は選手が多く入れ替わり、新たな陣容で今シーズンを迎える新潟アルビレックスBBの福田将吾ヘッドコーチ。本人も新天地に臨む36歳の若き新指揮官はどのようなチームを作りあげ、強豪ひしめく東地区を勝ち抜くのか。
インタビュー・文=吉川哲彦
取材日=2020年8月21日
――まずは就任に至った経緯を教えてください。
福田 クラブの代表と電話でお話しし、正式にオファーをいただきました。ありがたいことに他のクラブからもオファーがあったのですが、『日本一を目指す』という新潟のビジョンに共感して、快諾しました。
――福田HCの就任と同時に、選手層も大幅に変わりました。選手獲得に関しては、福田HCの意見はどれくらい採り入れられたのですか?
福田 小菅学社長兼GMとしっかり話し合ってリクルートしたので、私が展開したいバスケットを体現してくれる選手を獲れたと思っています。
――福田HCが展開したいバスケットとはどういうものですか?
福田 強度の高いディフェンスから速い展開のオフェンスというのは多くのチームが掲げていますが、私は「こんなにも速いのか!?」と思われるくらいアップテンポなバスケットをしたいと思っています。あまりバスケットに詳しくない方にも「すごく速いチームだよね」と言ってもらえるような速さを目指しています。
――選手たちがそれにフィットする手応えはありますか?
福田 非常にあります。特に、若い選手は運動量も豊富ですし、ボールをプッシュできる選手も多い。ガードの柏倉哲平選手や納見悠仁選手もそうですが、林翔太郎選手もリバウンドから自分で一気にボールを運んでいける選手です。外国籍選手にしても、ロスコ・アレン選手は走れることが強みなので、彼らの長所を出していけると思います。リチャード・ヘンドリックス選手はスマートで周りの選手を活かせますし、チャールズ・ミッチェル選手はジョージア工科大の時の映像を見ると、実は脚力のある選手。NCAAの高いレベルでいろいろなプレーができていたので楽しみです。
――外国籍選手に関しては、3人ベンチ入りできるルールになりました。このルール変更はどう受け止めていますか?
福田 私はポジティブに考えています。2人しかベンチ入りできないのはマネージメントが難しかったですし、ケガのリスクも増えたので、この変更は良いことだと思います。ただ、外国籍選手3人で60試合回せるかというとそうではないので、星野曹樹選手や大矢孝太朗選手といった日本人選手をしっかり絡めさせたいと思っています。
目指すところは日本一。そのためにまずは東地区で勝ち上がる
――例年と比べて外国籍選手の合流が遅れました。その影響はありますか?
福田 難しいところはありますが、その間に日本人選手がハードに取り組んでくれて、レベルアップできています。日本人選手が軸になるべきだと思いますし、例えばロスコが30点取れないと勝てないようなチームにはしたくない。外国籍選手の合流が遅れたことで、日本人選手がしっかり時間を取って細かいところまで詰めることができたのは良かったです。
――福田HCがチームビルディングで大事にしていることは何でしょうか?
福田 選手の主体性ですね。結局のところ、試合でプレーするのは選手。私ができることはメンバーチェンジとタイムアウトくらいしかありません。試合の流れが良くない時に、いかに選手が自分たちでそれを断ち切れるか。任せっきりというわけではなく、ディフェンスのルールなどはしっかり作ってはいますが、その中でも選手が考えながらプレーする必要がありますし、選手の意見やアイデアも大事にしています。
――今シーズンは何を目標にしていますか?
福田 やはり我々が目指すところは日本一。そのためにまずは東地区で勝ち上がること。そして60試合を通して成長すること。ブレずにやっていきたいと思います。
――最後にブースターに向けてメッセージをお願いします。
福田 20年という歴史のあるクラブの伝統を大切にしながら、より地域密着を意識して、ブースターの方々との一体感を作って、スローガンでもある「Synergy」、相乗効果を生み出していければと思っています。応援よろしくお願いします!