10月21日、滋賀レイクスターズ対琉球ゴールデンキングスの一戦が行われ、琉球が89-77で勝利し5連勝を収めた。
この日、琉球はキム・ティリと小野寺祥太をケガで欠く苦しい状況。アウェー連戦ということもあり、疲労が回復し切らない中での一戦となったが、試合開始から相手を自由にさせない激しいディフェンスでペースを握る。ジャック・クーリーが第1Qにケガで一時ベンチに下がるアクシデントがあったものの、満原優樹がしっかりとその穴を埋めて隙を与えない。
一方、攻撃面でもフィジカルを生かしてペイントエリア内まで攻め込み、着実にポイントを重ねた琉球。第3Q中盤に一時6点差まで追い上げられるシーンもあったがそれ以上の反撃は許さず、攻守両面で遂行力を見せつけた琉球が完勝を収めた。
この試合のヒーローは、間違いなくドウェイン・エバンスだろう。
37得点と大活躍したエバンスは、相手の外国籍選手がマッチアップすれば外角のシュートを中心に攻め、かたや日本人選手がマッチアップすれば自身のフィジカルを生かしてインサイドへ攻め込むという多彩な攻撃を披露。被ファウル数は12を重ね、相手をファウルトラブルで苦しめるとともにフリースローで着実に得点を挙げるという、敵にとっては何ともいやらしいプレーで見事に自チームを勝利へ導いた。
試合後、取材に応じたエバンスは「ペイント内で得点を取れたことが自分をいいリズムに乗せるきっかけになりました。そのリズムで外のシュートも入るようになり、そこからはゲームの流れに任せて打つべきところで打ちました」と振り返り、やはりインサイドで得点を重ねたことが調子を上げていく要因となったことを明かした。
被ファウルについては「自分のプレースタイルは、フィジカルを売りにしたプレーなので、小さい選手がつけばポストアップするし、大きい選手がつけば外からアタックします。自分のリズムでプレーできたからこそファウルを多く受けられたし、得点も決められました」とコメント。201センチ104キロと恵まれた体格を生かしたプレーは、相手にとって止めるのは困難なミッションとなると思わせるだけの活躍をこの試合で見せつけた。
自身にとって日本での3試合目を戦ったが、日本のバスケについて「とてもフィジカルなリーグだと思っています。悪い意味ではなくレフェリーがコンタクトをしていても流す傾向にあると思います」と語り、「自分はずっとフィジカルを生かして相手に強くアタックするプレーをやってきたので、そういう部分ではこのリーグに合っている」と満足げに話した。
琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは、「エバンスがアタックできるうえにパスも上手なので、(相手からすれば)ヘルプにいけば抑えられるという選手ではない。彼が入ったことで僕たちのやりたいオフェンスができるようになりました。チームのラストピースがはまったという印象です」と大絶賛。
琉球のシステムに早くもマッチし、大活躍を見せたエバンス。チームの躍進はこの男に掛かっているといっても過言ではない。