新連載『勝手にオレのチーム愛を聞いてくれ!』、略して『勝手にオレ愛』は…バスキン編集部とバスケコメンテーターの井口基史氏がBリーグチームを愛する業界人を独断と偏見で選び、チーム愛を徹底的に聞くという、誰が喜ぶかわからないが愛を思う存分語れるという大変名誉あるインタビューです。
我こそはというオレ愛に自信のある業界の方自薦他薦は問いません。有名かどうかより愛の深さを問う企画です。アピールをぜひよろしくお願いいたします。
もちろん申込みフォームはありませんのでブースター/バスキン編集部/井口さんへ愛が届くように頑張ってください…。
「ファン・ブースターの皆さまへ」チーム愛優先ですので、特定チーム複数回やゼロの可能性をご了承下さい…#勝手にオレ愛
構成・文=井口基史
第1回横浜ビー・コルセアーズ芸人『鬼ヶ島』和田貴志さん「僕のビーコル愛を聞いてください」
記念すべき第1回は、ビーコルのブースターが誇る、お笑いブザービーター、プロダクション人力舎所属トリオ、鬼ヶ島の和田貴志さんへビーコルへの思いを語っていただきます!
■プロフィール
和田貴志(わだ たかし)1978.8.17生/神奈川県出身。
プロダクション人力舎所属・鬼ヶ島(おにがしま)のメンバー。コントを中心とするお笑いトリオ。現メンバーで2007年から活動。2013年キングオブコント準優勝を筆頭に、リンカーン/エンタの神様/内村さまぁ~ず等、数々のバラエティーで活躍し、単独ライブは熱狂的なファンを集める。自身も中高バスケ部だったこともありビーコルに出会った。現在3x3 BEEFMAN.EXEアンバサダーも務める。
Twitterアカウント @wadatakashi0817
――和田さんが横浜ビー・コルセアーズ(以下ビーコル)を好きになった経緯を教えてください。
和田 元々は横浜市立新井中学校でバスケ部に入り、神奈川県立岡津高校までプレーしました。当時NBAもマジックからジョーダンの転換期でしたし、関東圏は地上波でNBAが観られたので、完全ど真ん中のジョーダン世代だと思います。自分の中での神様はダウンタウンの松本さんとブルズのジョーダンの2人と決めていました。
――なるほど。和田さんは笑いの神様とバスケの神様に守られているんですね。
和田 高校時代はけして強いチームではなかったのに、恩師のおかげで神奈川のスーパースター佐古賢一さん(元日本代表)が練習を教えに来てくれたのを覚えています。今の子供達からすると、田臥勇太選手(宇都宮ブレックス)が教えに来てくれるようなもんですかね!
――神奈川はバスケスーパースターの産地ということですね。
和田 小学生のころからいつかお笑いにチャレンジすると決めていたので、高校卒業後にプロダクション人力舎の養成所に入りました。そこでお笑い中心の生活になり、少しバスケから離れた時期もありますが、芸人仲間のバスケチームに入っていたので、その仲間と代々木第一体育館で行われたキングス対アルバルクのBリーグ開幕戦に行ったのが初のBリーグです。
――お~。あの歴史的試合の会場にいらっしゃったんですね。
和田 その時は純粋にバスケがここまできて良かったなという嬉しさだけで、特定のチームを応援するなんて全然思っていなかったです。ただあの高揚感は覚えていて、富樫勇樹(千葉ジェッツ)という凄い選手もいるとは聞いていましたので、そこも観ようとすぐに千葉の試合も観ました。「また凄い選手がでてきたなぁ」と感動し、じゃあ地元横浜も観ないとダメでしょうと、横浜国際プールに来てしまったのがビーコルとの出会いです。
――あの北山田駅から横浜国際プールへの階段を登ってしまったのですね。
和田 ビーコル初対面のウォーミングアップで見惚れてしまったのが、川村卓也選手(現シーホース三河)ですね。あのシュートフォームというか、プレーしているときのフォルムというか、男が男のファンになるってあるんだなと思い、こういう選手がいるなら横浜を応援しないといけないなと感じたのを覚えています。
――川村選手の華やかさに気付いてしまったのですね。
和田 それまでは2階席でちゃんとおとなしく観戦していたんですが、1階席も一度は経験してみるかと2017年2月4日の横浜対千葉(GAME1)で初めて1階席に降りてしまいました。この試合を今話すと、最近千葉や横浜を好きなった方は「また、また~!」と思うかもしれないですが、試合残り1.7秒で富樫選手がスリーポイントを決めて千葉が同点に追いつき「やっぱ富樫は凄い! 延長戦か!」と興奮していたところ、今度は1.7秒で川村選手がブザービーターを沈め返すという、横浜国際プールが揺れるシュートを決めたんです! ウソじゃないですよー。本当ですよ! その試合が自分の身を完全に“ビーコル沼”に沈めるきっかけになったと言えますね…。
――最近Bリーグを愛した方からすると「公式戦ですか?」と聞きたくなるかもしれませんね。
和田 あとビーコルブースター的史上最高のブザービーター、2017年5月14日・2016―17残留プレーオフ1回戦秋田対横浜の特別ルール第3戦ですね! もし最近Bリーグを好きになった方はぜひこの奇跡をご覧いただきたいです。この試合のころは完全に“沼”の一員でしたので、現地の秋田まで応援に行っていたんです。秋田は横浜ブースター用にベンチ裏席をホームで売り切らず、横浜ブースターも買える販売方法にしてくれていてギリギリ購入できた席でしたが、秋田のことはあれ以来ホントに嫌いになれないんですよね~。試合の方は川村卓也が沈めたブザービーターで、人って本当に興奮で記憶を無くすことってあるんだなって今でも思います。決まった瞬間は涙と喜びで周りのブースターさんと多分一緒にぐしゃぐしゃだったと思いますが、あのシュートからの数分間の記憶が本当に無いんです!
――バスケファンの心を揺さぶる試合でしたね。戦った秋田のことを嫌いになれないとは?
和田 あの試合が自分の中でビーコルのことを「好き」から「愛している」に変わった瞬間です。そして共に残留プレーオフを戦った、秋田のことは長く付き合ってくれる「彼女」だと信じていたのに、最近秋田はかなり強くなってきて「元カノ」に変えました。そういう意味では2017-18残留プレーオフに片柳アリーナで激しく愛を確かめ合った、伝説一戦、富山のことも「彼女」だと思っていたのに最近の成績をみると「元カノ」と呼ぶべきか悩んでいます。直近の2018-19残留プレーオフで平塚でデートしたレバンガ北海道のことは、正直これからも「彼女」として付き合っていきたいと思っていますが、こればっかりは…芸能界で売れていく彼女を見守る心境と言えば伝わりますかね!
――それぞれの残留プレーオフに忘れられない戦いがあるんですね。劇的試合を重ねた事で愛が深まったという理解でよろしいでしょうか。
和田 早く卒業しないといけない戦いだとは頭では分かってはいるんですけど、あの試合を味わった敵というか「元カノ」もいますし、今となっては楽しかったと言ってしまいますね。そういう試合の出来事はもちろんですし、横浜ブースターはbjリーグ時代から長く応援している方も大勢いますが、みなさん凄いウェルカム感があるんです。芸人の自分にも、「会場に来てくれてありがとう」とか、「SNSで取り上げてくれてありがとう」とか、「アウェイに来てくれてありがとう」とか、「このチームを一緒に好きになってくれてありがとう」という感じが凄くあります。たぶん残留プレーオフを戦った対戦相手にも、凄い経験を一緒に乗り越えてきた、仲間みたいな気持ちがきっとあるんだと思います。みなさん「ウチのチーム」って言いますからね(笑)。一般の方が聞いたらウチ? どちらのチームですか? ときっと思いますよね。(笑)
――個人的に横浜ビー・コルセアーズを広める活動をしていると聞いています。
和田 できるだけ色んな仕事現場に横浜ユニフォームを持参して、着てもらったりしています。芸人仲間を通じてビーコルを知ってもらえたり、名前だけでも聞いてもらえれば、何かのきっかけになると思いますし、芸人なのでチーム成績のことをネタでいじられたりもしますが「あ~。横浜は弱いんだ~」から覚えてもらっても良いとさえ思います。ただ申し訳ないですが、自分はチームを好きになってから一度も弱いと思ったことはないです。いつもたまたまケガ人がいたり、コンディションが悪かったり、偶然コーチライセンス試験日と試合日がかぶったり、気温が低かったり、雨が降っていたり、何かしらの理由があって偶然負けただけですから、チームが弱いわけではないですからね。
――なるほど。これは重症ですね。