廣瀬、宮田、田口の3氏による熱いトークが展開
12月19日、一般社団法人「スポーツを止めるな」は、プロジェクトの一環として、公式YouTubeにてパネルディスカッションを公開。同法人共同代表理事で元ラグビー日本代表廣瀬俊朗さんがホストを務め、Bリーグ東京エクセレンスのGMとしても活躍する宮田諭選手、バスケットボール選手会会長、千葉ジェッツの田口成浩選手をゲストに迎えて、“バスケを止めるな”の現状や、スポーツ選手のセカンドキャリアやデュアルキャリアなどについて、熱いトークを繰り広げた。
コロナ禍で大会が中止となり、進学に向けたアピールの場を失った高校生アスリートに向けて、大会に代わるプレーアピールの機会を提供するために始まったムーブメントが「#スポーツを止めるな2020」だ。当初はラグビーとバスケットボールの2競技ではじまったこのムーブメントは、ほどなくしてさまざまな競技にも波及。「一般社団法人スポーツを止めるな」は、このムーブメントを一過性のもので終わらせず、より拡大、発展させるための推進母体となるために設立された団体となる。現在は「選手が安全にプレイをアピールできるシステムの開発」や、選手たちの思い出の試合にトップ選手などによる本格的な解説と実況を付けてプレゼントする「『青春の宝』プロジェクト」などを主な活動内容としている。
バスケットボール選手会として“スポーツを止めるな”に賛同し、今回のディスカッションに登壇した田口選手は、自身が高校時代には顧問の先生に「プロにはなれない」と言われたものの、自身の努力によってプロの道を切り開いたこと、プロになった後に高校の恩師へ「あの時、プロになれないって言いましたよね」とからかいながら会話できる間柄であること、恩師にとっても、田口選手がプロになったことについて誇りに思ってくれていることなどを語ると、参加者も暖かい笑顔を見せた。
協議の枠を超えた活動が注目される「スポーツを止めるな」
ラグビー界や他競技との交流という視点から語る廣瀬氏、二足の草鞋、三足の草鞋を履く宮田選手、選手会長であり、実は野球少年であった異色のキャリアを誇る田口選手は、三者三様の立場から様々な話題に触れながら、日本のスポーツの今後についてトークを展開。ラグビー界では、外国籍選手には自分でビジネスをやっている人も多いことや、日本の株価について聞いてくるニュージーランド人もいるという話に、一同驚嘆。廣瀬氏が「日本の文化とか宗教に興味を持っている外国籍選手も多いので、自分が(日本の文化などについて)分からないとかっこ悪いです。そして、それを知っていることで人間関係が円滑になるのですよ。スポーツだけやっている場合じゃない」と語ると、宮田選手、田口選手も納得の表情を浮かべていた。
ディスカッションの最後に、宮田選手が「インターハイがなくなって引退した選手もいます。選手を応援していた親御さんもいます。何かの区切りがないとポジティブにならない。青春の宝プロジェクトについては、活動を一つでも多くやっていきたい」と述べ、もう一つの視点として「バスケをやっている子ども、プロの選手も含めて、どのキャリアにもその先があります。バスケを通して学ぶこと、バスケのために学ぶことを自分の中で吸収してほしいと考えています。大会がなくなってしまっても、どうすれば良いのかを考え続ければ、(自分のキャリアとして)バスケは止まっていない」と力強く語った。
ラグビー、バスケットボールに限らずスポーツ界全体へと波及した“スポーツを止めるな”。各競技の特徴もあり、すべての種目でリクルートの道が開けているわけではないが、それぞれの競技ならではの課題が浮き彫りになり、競技の枠を超えた協力によって今後の連携が期待できる体制は整いつつある。今後の“スポーツを止めるな”の躍進に期待したい。
↓YouTubeのリンクはこちらから↓
#1 https://youtu.be/Da9rI6ttx0k
#2 https://youtu.be/E3lrNrdcttg