勝負所で集中力を発揮した川崎の藤井祐眞「やってやろうという気持ちになった」

勝負所で集中力を発揮した川崎の藤井祐眞[写真]=B.LEAGUE

 5月15・16日に行われた「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21」のクォーターファイナル。大阪エヴェッサのホームに乗り込んだ川崎ブレイブサンダースは、見事2連勝を飾ってセミファイナル進出を決めた。

 大阪府は現在緊急事態宣言中ということもあり、無観客の中で行われたこの戦い。第1戦は95-75で川崎が快勝を収めたが、翌日行われた第2戦は第3クォーター中盤まで大阪にリードを許す苦しい展開に。それでもディフェンスの強度を高めて相手のオフェンスを封じると、第4クォーター序盤の連続得点で一気にリードを奪い、84-73で勝利した。

 第2戦ではニック・ファジーカスが20得点、ジョーダン・ヒースが16得点12リバウンドを挙げたが、ここぞという勝負所で集中力を発揮した藤井の活躍も見逃せない。藤井は第3クォーターまで得点がなく、アシストや持ち前のディフェンスで貢献していたが、第4クォーターに覚醒。立ち上がりに2本連続で3ポイントシュートを沈めると、その後相手ディフェンスを切り裂いてレイアップを決めるなどして、このクォーターだけで10得点。チームを勢いづかせた。

 藤井は試合後、「第3クォーターまでは存在感がなく、エナジーが足りなかった」と振り返ったが、最終クォーターが始まる前にあった一幕のおかげで集中力を高められたと話す。

 「第4クォーターに入る前に(篠山)竜青さんがみんなに『祐眞についていけ』と声を掛けていたので、もう行くしかないなと。吹っ切れたというよりは、やってやろうという気持ちになりました」

 チームキャプテンを務める篠山が個人名を出すことはあまりないとのことだが、藤井はこの試合のキーマンに挙げられた。「そこでスイッチが入った」と話す藤井の活躍もあり、2連勝を果たすことができた。

藤井に与えられたもう一つのミッション

 藤井にはこの試合でもう一つのミッションが与えられていた。それは大阪のディージェイ・ニュービルを封じることだ。193センチ95キロでボールハンドラーを務めるニュービルは、今シーズン1試合平均19.3得点と大阪のリーディングスコアラーであり、平均6.0アシストはリーグ3位を誇る。独特なリズムから繰り出される3ポイントも高確率で沈めてくるため非常に守りづらい選手だが、藤井は「絶対に負けたくない気持ちがあった」という。

「アシスタントコーチのケンさん(穂坂健祐)から映像を見せてもらって特長を把握しながら、絶対に出だしから勢いに乗らせたくないという気持ちでマッチアップしていました」

 ニュービルはこの試合で26得点を挙げたものの、第1クォーターはわずか2得点。藤井の話すニュービル封じは成功したと言っていいだろう。

藤井はニュービルとのマッチアップで「負けたくなかった」と話す[写真]=B.LEAGUE


 今シーズン、自身のプロキャリアで最多となる33試合の先発出場を果たした藤井。日に日にチーム内での存在感が増していく背番号0は、セミファイナルの宇都宮ブレックス戦でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。今後の活躍に目が離せない。
 
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