「B2・B3入替戦 2017-18」で勝利を収め、見事B3リーグからB2のステージへと昇格を果たした東京八王子ビートレインズ。2018-19シーズン開幕日の9月28日、アースフレンズ東京Zとの初陣を迎えた。
今季のBリーグはB2から幕を開け、しかもこの日は八王子vs東京Zと愛媛オレンジバイキングスvs広島ドラゴンフライズの2試合のみ。昨シーズンB3のファーストステージ、レギュラーシーズン、ファイナルステージの全てで優勝し、満を持してB2へ参戦してきた八王子に注目したファンもきっと多いことだろう。しかし、試合は63-87と大差をつけられ敗戦。記念すべき初陣はほろ苦いものとなってしまった。
「出だしが悪くて、そのまま試合を決められてしまった」
試合後、開口一番にそう口にしたのはチームの司令塔を担う大金広弥。昨シーズンはエースとしての活躍も見せ、B3年間MVPを獲得した選手だ。大金の言葉どおり、八王子はこの試合最初の得点こそバスケットカウントで幸先良くスタートさせたが、それ以降は相手のプレッシャーディフェンスに対応できずミスを連発。第1クォーターだけで9つのターンオーバーを犯すと、「オープンの状況を多く作られて、アウトサイドシュートを気持ち良くを打たせてしまった」(大金)。前半を終えた時点で7本の3ポイントを浴び、26-50と攻守で圧倒された。
大金自身は試合をとおしてターンオーバーが1、計10得点4アシストを記録したが、3ポイントシュートは6本中1本成功と精細を欠いた。むろん劣勢のときには先頭に立って流れを食い止める、引き寄せるのがポイントガードの役目でもある。
「もう少しチームを組み立てられたかなと……。セットプレーも相手ディフェンスの前にバラバラなプレーが多く、そこはポイントガードとして自分がまとめなければいけなかった」
もっとも、後半のスコアだけを見れば37-37と互角。第3クォーターではルブライアン・ナッシュ、アレクサンダー・ジョーンズの両外国籍選手がインサイドで奮起し、大金も8得点をマークする活躍を見せて相手を上回った。「3クォーターはいい時間帯もあった。その良かった部分は明日もしっかりやっていきたい」。
八王子は今節、池田裕介、藤岡昂希、秋葉真司の3選手が体調不良で欠場しており、初戦を9名で戦かった。「そこは気にせずにやった。体力的にも平気でした」と大金は淡々と振り返ったが、チームはファウルトラブルにも陥り、最終的にナッシュ、浅野崇史がファウルアウト。ジョーンズも4つのファウルを取られ敗因の1つとなった。また、第4クォーターに右足を負傷したセオン・エディが第2戦に出場できるかも微妙だ。「今日は63点に終わってしまった。もうちょっと得点を伸ばせるチーム。失点も87点なので、しっかりと相手にアジャストしていかなきゃいけなない」と攻守両面で修正が必要だが、3年目のシーズンは開幕した。試合は待ってくれない。
この日、ホームのエスフォルタアリーナ八王子には1788名が訪れた。第2戦はさらに多くの歓声が選手たちを後押ししてくれるだろう。大金が司令塔としてしっかり試合をコントロールし、得点源のナッシュ、ジョーンズを筆頭にチーム全員が伸び伸びとプレーできれば、自ずと結果はついてくるはず。
ホームのアドバンテージを活かして、ブースターへB2初勝利をプレゼントすることができるか。29日の第2戦、まずは「出だし」に注目したい。
文=小沼克年