2024.04.23
3シーズン目の開幕を目前に控えたBリーグ。過去2シーズンで得た成果、反面浮き出てきた課題、その両者を昇華していくことでクラブはさらに進化を遂げていく。今シーズン、まさにその真価が問われるのが東京八王子ビートレインズだ。昨季はB3リーグのファーストステージ、レギュラーシーズン、ファイナルステージの全てで優勝を果たし、昇格を懸けた入れ替え戦でも大差で勝利。見事完全優勝を成し遂げ、満を持してB2へ乗りこむ。今回、バスケットボールキングではチームのエースかつ絶対的司令塔、昨季はB3で年間MVPを受賞し昇格の原動力となった大金広弥に、昨季の振り返りと今後への意気込みをうかがった。(9月10日取材)
インタビュー・文=小沼克年
写真=東京八王子ビートレインズ
――まずは大金選手のプレースタイルを教えてください。
大金 ポイントカードなので攻撃の起点となることが多いのですが、状況に応じてアグレッシブにアタックして得点を取りにいくこともあります。ピック&ロールなどもよく使うので、そういったところも見て頂ければと思います。
――開幕に向けてご自身の調整具合はいかがですか?
大金 僕としては入れ替え戦の前からケガしていたんですけど、練習も4月くらいから全部参加できているのでいい準備ができていると思っています。
――B2での戦いに向けて、ご自身の課題や目標はありますか?
大金 新しいステージなのでいいときも悪いときもあると思います。僕としては個人的にもしっかり結果を出してチームを勝利に導けるようなプレーをしていきたいですね。具体的にはフィールドゴールのパーセンテージを上げていきたいなと。ちゃんとオープンな状況を作ってシュートを打てたら上がってくると思いますし、周りに点を取れる選手もいるので、無理なときはアシストをさばければプレーの幅も広がってくると思っています。
――昨シーズンはB3で完全優勝を果たしました。今振り返ってみてB2昇格までの道のりはいかがでしたか?
大金 楽な試合はあまりなかったですね。僕らも気を引き締めて1年間臨んだ結果が完全優勝だったのでそれは良かったですけど、今年は今年なのでまたチャレンジしていきたいです。
――ご自身としては満足のいくシーズンを過ごせましたか?
大金 はい。昨シーズンは優勝してB2へ昇格できましたし、年間MVPも獲れたので満足はしています。
――MVPは開幕当初から狙っていましたか?
大金 狙ってはいないですけど、取れたらいいなとは思っていました。昨シーズンは「本当に昇格しないといけない」という思いでやっていたので、勝利を優先してプレーした結果、MVPを獲れたという感じですね。
――Bリーグでは得点王、アシスト王など個人タイトル争いもあります。
大金 目指したいですけど始まってみないとわからないですね。スタッツを見ながらランクインできそうなところを狙おうかな(笑)。
――「B2・B3入替戦 2017-18」で大金選手はケガのため出場できませんでしたが、チームは大差で勝利しました。試合後はどんな心境でしたか?
大金 昨シーズンはとにかく「B2に上がらないとヤバイ」という思いでやっていたので、ホッとしたのが一番強かったですね。
――やはり出場したかったですよね?
大金 負けていたらそう思ったかもしれないですね(笑)。でも、勝ったから良かったです。
――昨シーズンをとおして、チームが良かった部分は具体的にどのあたりですか?
大金 全体の雰囲気は良かったですね。コーチ陣も含めてちゃんとコミュニケーションが取れていたので、そこが一番良かったんじゃないかなと思います。
――B2に昇格できた一番の要因は何だと思いますか?
大金 単純に個々の能力が高かったので、ダメなときもあったんですけどそこから立て直して勝てたことが良かったのかなと。でも一番はチームとフロントがお互いに気持ちを高め合って1年間戦ったことですね。石橋(貴俊ヘッドコーチ)さんは開幕前から「全ステージで優勝しよう」と言っていましたし、会社も「何としてもB2ライセンスを取ろう」という目標を掲げていました。ときにはチームも連敗するし、フロントも集客に失敗するときもあったと思います。でも「チームが頑張ってるだから、フロントも頑張ろう」、「フロントが頑張ってるんだから、チームも頑張ろう」という気持ちでやってこれたのがB2に上がれた一番の要因なんじゃないかなと思っています。
――会社がB2ライセンスを取っても、勝てなきゃ意味がないですからね。
大金 そうですね。「勝たないといけない」というプレッシャーよりは、「絶対勝ってやる」という前向きな気持ちで戦っていました。
――不安よりは「やっとB2に上がれる」という気持ちの方が強いですか?
大金 はい。ここからが本当のスタートなので、「気持ちを新たに」って感じですね。昨シーズンの良かったところは継続してやっていきたいです。
――チームのスタイルは今シーズンも継続していくのでしょうか?
大金 マイケル(オルソン)コーチが新しく入ったので、多少は変わると思います。僕らはそこについていかなきゃいけないですし、その中で自分の色をちゃんと出していかなきゃいけないと思っています。
――新加入選手の中で期待している選手はいますか?
大金 ルブライアン・ナッシュ選手です。
――どういった選手でしょうか?
大金 当時bjリーグの福島(ファイヤーボンズ)に所属していたとき(2015-16シーズン)に得点王を獲っているので、個人的にすごく期待しています。連携の部分でも今のところやりやすいかなって感じています。
――では、一番頼りにしている選手はいますか?
大金 また外国籍選手になってしまうのすけど、長年一緒にやってきているアレクサンダー・ジョーンズ選手ですかね。もう3シーズン目になりますし、彼のインサイドは頼りにしています。
――石橋HCとは和歌山トライアンズ時代に一度、一緒にやっていたとうかがいました。HCの当時の印象は覚えていますか?
大金 和歌山のときは僕があとから入ったんですけど、石橋さんは結構自由にやらせてくれましたね。プレーをしばることはなかったです。
――八王子では大金選手の方が先に加入しましたね。
大金 そうですね。その分、石橋さんのやりたいことは分かっていましたし、(石橋HCが加入した2016-17)シーズン途中からでもすごくやりやすかったです。
――これから対戦するチームも変わりますが、楽しみにしているチームや選手はいますか?
大金 横浜(ビー・コルセアーズ)から信州(ブレイブウォリアーズ)に移籍した佐藤託矢選手です。和歌山時代、僕も石橋さんもチームメートだったので楽しみですね。あとは西宮(ストークス)ですかね。僕が八王子に来る前まではずっと西宮と同じリーグでやっていましたし、ルーキーのときからずっと対戦している選手が多いので。
――今シーズン、ブースターの皆さんにはどういった試合を見せたいですか?
大金 今シーズンのスローガンが『SHOW TIME』ということで、試合前は華やかな演出があると思うんですけど、実際に試合が始まったらガチンコの勝負を見せたいなという気持ちです。ホームゲームでは色んな面でワクワクしてもらえるようにしたいです。
――初陣は9月28日のアースフレンズ東京Zとの一戦です。やはりホームで開幕戦を戦えるのは大きいですか?
大金 大きいですね。やっぱり1週間遅れるよりも気合いが入りますし、こっちも負けられないなという思いがより強くなります。
――改めて、開幕へ向けての意気込みをお願いします。
大金 今シーズンを戦っていくうえで開幕戦は本当に大事な試合になりますから、連勝を飾れるようにしっかり準備して臨みたいです。ブースターの皆さん、今シーズンも僕のことを含めチームの応援をよろしくお願いします。一緒にプレーオフに行きましょう!
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