ある意味では今大会の最注目チームと言っていいかもしれないのが船橋市立船橋高校(千葉県)だ。その理由は、チームの軸である赤穂雷太の存在にある。194センチの長身ながら、今大会はポイントガードとしてコートに立つ。
ユニバーシアード福岡大会準優勝に貢献した元日本代表選手を父に持ち、姉はWリーグの現役選手、そして双子の妹も昭和学院高校のエースというバスケ一家。父譲りのサイズに頼ることなく、ボールハンドリングなどのスキルを磨いてきたことで、司令塔のポジションを任されることになった。もちろん経験不足ではあるが、ポテンシャルは十分だ。
このような大胆なコンバートができるのも、田村伊織という頼れるセンターがいるから。田村もまた、ゴール下から3ポイントまでプレーの幅を持った選手。2年生の保泉遼も、インターハイベスト8進出に貢献したスコアラーだ。フォワード陣はサイズに欠けるものの、その分全員でディフェンスにハッスルする。
初戦は、平成高校(秋田県)との対戦が予想される。能代工業高校の牙城を崩した新興勢力として、こちらも注目を集めるチーム。注目カードをしっかり勝って、恐らくその先に待ち構えているであろう夏の王者、福岡第一高校(福岡県)をおびやかしたい。
文=吉川哲彦