バスケットボール日本代表として活躍し、引退後は古巣の熊谷組、大和証券、日立(現サンロッカーズ渋谷)、日本代表などでヘッドコーチを歴任。現在は早稲田大学スポーツ科学学術院教授を務める倉石平(くらいし・おさむ)氏に、歴代ウインターカップ出場選手の中から“ドリームチーム”を選んでもらった。2020年東京オリンピックを視野に入れた現役中心のメンバー構成の中、ポイントガードには、あのレジェンドが選出された。
インタビュー=村上成
――ご自身が考えるウインターカップのドリームチームを教えてください。
倉石 まず入れたいのは八村塁(ゴンザガ大学)と渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)です。今後の成長にも期待して。あとベテランの域に入ってきましたが、竹内譲次(アルバルク東京)と竹内公輔(栃木ブレックス)の竹内兄弟は外せないですね。竹内兄弟を4番(パワーフォワード)と5番(センター)、3番(スモールフォワード)を八村、2番(シューティングガード)を渡邊に置く形です。
――ポイントガードはどうしますか?
倉石 難しいですね。一番うまかったのは佐古賢一(現広島ドラゴンフライズへッドコーチ)か田臥勇太(栃木ブレックス)です。
――どちらがうまいと思いますか?
倉石 田臥はチャンスメークは抜群ですけど、得点力がそこまで高くないんですよ。逆に佐古は自分で点を取りに行こうと思えば、20点は簡単に取れましたから。シュート力などを含めて、総合力でいったら佐古の方がうまいと思います。あと、夢だけを語るんだったら比江島慎(シーホース三河)かな。
――夢だけ語るというと?
倉石 まだポイントガードとして完成されていないので。現在、日本代表でポイントガードにも挑戦していますけど、サイズやオフェンス力を考えるととても魅力的な選手ですよ。
――ガード陣で他に気になる選手はいますか?
倉石 竹内兄弟の1人しか出せないとして、1つずつサイズを上げて、4番に八村、3番に渡邊とすると、2番のポジションに筑波大学の馬場(雄大)もいいかもしれないですね。
――シックスマンはどうしましょうか?
倉石 今ここにシューターがいないんですよ。たぶん、今日本で一番シュートがうまい選手と言ったら、辻直人(川崎ブレイブサンダース)です。でも辻はサイズが足りないかなあ……それか金丸晃輔(シーホース三河)ですかね。
――金丸選手はどう評価していますか?
倉石 シューターとして素晴らしいですよね。彼はオフバランスでフォームがバラバラになってでもシュートを打てちゃうので。指先の感覚というか、指先の生まれ持った資質がすごいですよね。シューターとしてシックスマンに置くなら、金丸がいいかな。
――ディフェンス力でベンチに入れておきたい選手はいますか?
倉石 日本人でディフェンスがうまい選手はそんなに見当たらないです。まずは日本特有のディフェンスシステムを確立させていかないとダメだと思います。それをするためには資質なんかいらないかもしれないですけど。選手個々の根性と選手同士の協力が必要っていう考え方なので(笑)。
――他にベンチに入れておきたい選手はいますか?
倉石 シューターとして辻、金丸は絶対ですね。あとはポイントガードが田臥、比江島。
――若い年代も入って、サイズ的にも十分ですね。
倉石 オリンピックを目指すならこのメンバーでやるしかないんですよ。これに帰化選手を足していくしかないんです。今選んだ選手たちが中心部隊です。
■倉石平が選ぶウインターカップ・ドリームチーム
ポイントガード(1番) 佐古賢一(広島ドラゴンフライズヘッドコーチ)
シューティングガード(2番) 渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)
スモールフォワード(3番) 八村塁(ゴンザガ大学)
センター(5番) 竹内公輔(栃木ブレックス)
ベンチ入りメンバー:田臥勇太(栃木ブレックス)、比江島慎(シーホース三河)、金丸晃輔(シーホース三河)、辻直人(川崎ブレイブサンダース)、馬場雄大(筑波大学)