【第5日女子総括】女子決勝にコマを進めたのは岐阜女子と桜花学園

決勝戦のカギを握る1人、バイクンバ・ディヤサン [写真]=山口剛生

 平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)女子は5日目が終了。岐阜女子高校(岐阜県)が大阪桐蔭高校(大阪府)を、桜花学園高校(愛知県)が明星学園高校(東京都)をそれぞれ破り、決勝戦にコマを進めた。

 第1試合に登場した岐阜女子は大阪桐蔭と対戦。ティップオフ直後は互いにシュートが決まらず重い展開に。岐阜女子はメンバーチェンジを繰り返し、ペースを変えようとするが、それでも拮抗した展開は変わらなかった。第2ピリオドに入り、岐阜女子はバイクンバ・ディヤサンにパスが入るようになり、次第にペースをつかんでいく。一方大阪桐蔭は8分半も無得点となり、流れは一気に岐阜女子に。

 後半になると岐阜女子は石坂ひなたの3Pシュートを決まりだし、リードをさらに広げていく。大阪桐蔭は「チームで戦えと指示したのに、気持ちの面で負けていた」(永井雅彦アシスタントコーチ)の言葉どおり、竹原レイラにボールが入ると周りの動きが止まってしまい、反撃の糸口をつかめなかった。結局、59-34で岐阜女子は大阪桐蔭を振り切るのだが、岐阜女子の安江満夫コーチはその内容に不満顔だ。

 「ここまで特別なインターハイだと思わずいつも通りに戦ってきた。普段の子どもたちの力を引き出したいと思っている。(決勝の相手はこの時点では決まっていないが、記者からの質問に対し)桜花(学園)さんはうちよりも1枚も2枚の実力が上。山本(麻衣)、藤本(愛湖)をどれだけ守られるかがカギを握るだろう」

 安江コーチは決勝に向けて気持ちを引き締めていた。

 第2試合は明星学園の健闘が光った内容となった。桜花学園は「3種類を駆使した」(明星学園の椎名眞一コーチ)明星学園のゾーンディフェンスを攻めあぐね、前半を28-33と5点ビハインドで終える。後半になると、明星学園は安藤舞香、栗田有子がドライブで桜花学園ゴールに襲い掛かる。第4ピリオドには2点差まで追い詰めた明星学園だが、その後は疲れからか動きが次第に悪くなり、桜花学園をとらえるまでにはいかなかった。

 試合後、桜花学園の井上眞一コーチは明日の決勝について聞かれると、「力は向こう(岐阜女子)のほうが上。プレーが安定しているし、切り札(バイクンバ・ディヤサン)も持っている。明日はやるだけだ」と険しい表情を見せた。

 決勝進出を決めた両チームの今シーズンの公式戦での対戦成績は2勝0敗と岐阜女がリード。それだけに桜花学園がどのような岐阜女子対策を積んできたかに注目が集まる。また、追われる立場の岐阜女子が普段通りの力を出すことができるか。このあたりが試合のポイントとなるのではないだろうか。

桜花学園の生命線、司令塔の山本麻衣 [写真]=山口剛生

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