【第5日男子総括】激闘が繰り広げられた準決勝、ファイナルは3年前と同じ組み合わせに

福大大濠をけん引した横地聖真 [写真]=山口剛生

 8月1日に平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)の男子準決勝が行われ、2日の決勝に進出する2チームが決定。明成高校(宮城県)が福岡第一高校(福岡県)に90-68で快勝し、福岡大学附属大濠高校(福岡)は帝京長岡高校(新潟)を4度の延長の末に89-87で下した。

 明成は激しいディフェンスで序盤から流れをつかみ、そのまま主導権を握り続けた。福岡第一は春の交歓大会などで明成との対戦経験は豊富。しかし、井手口孝コーチは、まずは選手たちの見立てに誤算があったのではないかと分析する。「僕が思っていたほど明成を警戒していなかったかもしれない。『なんとか守れるんじゃないか』という安易な考えで試合に入ったところで、ディフェンスを破れない、シュートを決められないということに気づいて、おかしくなりました」。

 一方の明成は、看板の八村阿蓮が37得点と大暴れ。相原アレクサンダー学とともに、攻撃でもリバウンドでもゴールに飛びこみ、勢いを作った。佐藤久夫コーチは「(八村が)1人で2人分がんばっていた。やっぱり強くなった。良かったね」と活躍を称えた。

 福大大濠と帝京長岡のゲームは、前代未聞の再々々延長の激戦となった。帝京長岡は第4ピリオドの序盤に最大15点のビハインドを背負ったが、そこから猛攻を仕掛け、残り15秒に祝俊成のフリースローで同点までこぎつけた。延長戦も拮抗した展開を見せたが、福大大濠の横地聖真が延長、再延長と立て続けにブザービータ―を沈め、再々延長では同点に追いつくフリースローを2本きっちりと決めた。横地のスーパープレーで首の皮一枚つなげた福大大濠が、最後は逃げきった。

 帝京長岡の柴田勲コーチは、再々延長でこの激闘にケリをつける心積もりでいた。「ファウルをして2ショットにするべきだったし、そういう練習もしてきたけど、その場になるとうまくいきませんでしたね」。再々々延長の最後の場面でもファウルゲームを指示していた。しかし、選手たちはそれを実行できなかった。柴田コーチは、「それまでノーファウルでずっと守ってきたのに、いきなり残り5秒で『ファウルをしろ』というのは難しかったのでしょう。選手たちは責められません」と擁護した。

 決勝は明成vs福大大濠。3年前の夏と同じ組み合わせとなった。当時はお互いに主力をU-16アジア選手権で欠く中で福大大濠が勝利したが、今回は両チームともにフルメンバーがそろう。名将、佐藤コーチと、若き知将、片峯聡太コーチ、そして選手たちの真っ向勝負の行方はいかに――。

文=青木美帆

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