12月28日に『ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会』は女子決勝を迎える。決勝にコマを進めたのは安城学園高校(愛知県)と大阪桐蔭高校(大阪府)。ともにウインターカップ初の決勝進出というフレッシュな顔ぶれとなった。ちなみに安城学園は1966(昭和41)年にインターハイを制しているが、ウインターカップでは初めて決勝戦のステージに立つ。一方、大阪桐蔭はインターハイ、ウインターカップを通じて全国大会では初めての経験だ。
両校による戦いの中心となるのは、大阪桐蔭の竹原レイラ(3年)だろう。大阪桐蔭とすれば、竹原を起点にいかに攻撃を仕掛けていけるかにかかっており、安城学園としては竹原を抑えることが勝利への命題となる。
その竹原は準決勝までの4戦合計で117得点、1試合の平均では29.25得点をたたき出している。竹原はインターハイに比べて、ローポストからの攻めのパターンが増えている。ステップワークもスムーズで、左右どちらからからでもシュートを打てるのも強み。さらにシュートレンジが広がったことにより、ディフェンスする対戦チームを悩ませている。
また、今大会では竹原にボールが入ることで、「私にディフェンスが寄ってきても、周りが合わせてくれるのでパスを出しやすいですし、外からどんどん攻めてくれます」と竹原自身も言うように、チームとして攻撃できているところも大阪桐蔭の強みと言えるだろう。
準々決勝の岐阜女子(高校総体1/岐阜県)戦に焦点を当て、準備を進めてきた安城学園は、岐阜女子のエースセンター、身長190センチのバイ・クンバ・ディヤサンをいかに抑えるかを研究してきた。ボールが入ってからの寄り方、そしてローテーションを練習してきたという。そのクンバが準々決勝は欠場だったものの、このディフェンスが準決勝での八雲学園高校(東京都)との一戦でカギを握った。クンバ対策が奥山理々嘉を止めることにもつながり、決勝進出の原動力になったと言える。
はたして、安城学園のディフェンスは竹原に通用するのか!? もちろん、大阪桐蔭としても準備は怠らないだろうが、ここが明日の決勝戦におけるポイントと言えるだろう。
決勝戦のティップオフは正午。もちろん、どちらが勝っても記念すべき初優勝だ。
文=入江美紀雄