インハイ女子注目校(3)桜花学園「試練の夏を迎える女王」

中心選手の坂本雅(左)と伊森可琳(右) [写真]=三上太

8月2日から8月7日にかけて愛知県の一宮市、小牧市、名古屋市で行われる「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」。『バスケットボールキング』では、今大会の女子注目校8つをピックアップした。

■女子注目校(3)桜花学園高校(愛知県)

 昨年はインターハイこそ決勝戦に進んだが、ウインターカップでは準決勝で、優勝した大阪桐蔭高校(大阪府)に敗れ、3位に終わった桜花学園。エースガードとしてチームを3年間引っ張った山本麻衣(現トヨタ自動車アンテロープス)、ポイントゲッターの藤本愛瑚(現JX-ENEOSサンフラワーズ)が抜けたものの、彼女らとスタメンを張った3人のメンバーが今年のチームを引っ張る。

 キャプテンの坂本雅(3年)は鋭いドライブが持ち味。決して大きくないチームにあって、彼女のペイントアタックは相手ディフェンスを崩すために必要不可欠である。パワーフォワードの伊森可琳(3年)は昨年に比べるとミドルショットの精度が上がり、またドライブも果敢に狙うなどの積極性が出てきている。U17女子日本代表にも名を連ねる平下愛佳(2年)は3ポイントシュートも打てて、ドライブもできるオールラウンダーだが、まだまだ存在感を示しきれていない。彼女が下級生の“殻”を破ることができれば、よりタフなチームに仕上がってくる。

 その3人に加えて、昨年ケガで苦しんだセンターのモハメド早野夏(3年)が戻ってきたことは大きい。177センチと上背はないが、留学生らパワーのある選手に負けないフィジカルの強さがあり、ペイントエリア周辺からの力強いドライブも魅力だ。さらに今年の桜花学園の目玉の1つはポイントガードに江村優有(1年)が入ったこと。まだ遠慮しているようにも見えるが、1対1、ドライブ、3ポイントシュートと非凡な才能を随所に見せてくる。ゲームコントロールも少しずつ良くなってきていて、全国の強豪が集まるインターハイでさらにブレイクする可能性もある。

センターのモハメド早野夏 [写真]=三上太

 井上眞一コーチが東海ブロック大会後に言った「インターハイまでにディフェンスを立て直す」ことに加えて、選手層の拡大がどこまでできているか。その意味で、地元で行われるインターハイは女王にとって試練の場となるだろう。

文=三上太

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