8月2日から8月7日にかけて愛知県の一宮市、小牧市、名古屋市で行われる「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」。『バスケットボールキング』では、今大会の女子注目校8つをピックアップした。
■女子注目校(7)安城学園(愛知県)
近年、力をつけながらも常に県内では桜花学園高校(愛知県)の陰に隠れてきた安城学園。しかし昨年のウインターカップで決勝戦まで進むと、優勝こそ逃したものの、下級生としてそのコートに立った選手たちが今年度に望みをつなげた。インターハイの県予選こそ桜花学園に敗れて2位での本戦出場となったが、6月に行われた東海ブロック大会の決勝戦では徹底的に研究した対策で桜花学園に91-66と完勝。インターハイの第1シードをつかんだ。
エースの野口さくら(3年)は3ポイントシュートやリバウンドのみならず、ボールを自陣から相手ゴールに自ら運んでシュートを決める「コースト・トゥ・コースト」もできる181センチのオールラウンダー。彼女を筆頭に、ペイントエリア内での体を張ったディフェンスやリバウンド争いなど献身的なプレーでチームを支える深津彩生、キャプテンの那須みらい、183センチで3ポイントシュートも打てる穴澤冴、フィジカルの強さが目立つエゼンバ織沙、佐藤美怜(いずれも3年)が脇を固めて、チームは現時点での完成形を見る。加えて東海ブロック大会では近藤はづき(1年)も力を発揮するなど、選手起用のローテーションに幅をもたせ、伸びしろも十分にある。
チームを率いる金子寛治コーチは「インサイドもアウトサイドも個人技が活きるなど、今年はこうすればいいというのがわかってきた。あとは選手のキャラクターを考えて、ディフェンスで何をしたらいいかをインターハイまでに考えたい」と語る。
昨年のウインターカップ決勝戦ではダブルオーバータイムの末に敗れたが、東海ブロック大会の準決勝、浜松開誠館高校(静岡県)戦ではオーバータイムを制しての決勝進出。敗れた要因をそのままにせず、次の勝利につなげる安城学園がインターハイでどんな戦いぶりを見せてくれるか。1つ目の大きな山はお互いが順当に勝ち上がった先の3回戦、岐阜女子高校(岐阜県)戦だろう。
文=三上太