能代工業を攻略した八王子、21点差快勝で準々決勝へ…8年ぶりの優勝に向けてあと3勝

6本の3ポイントを含む38得点を挙げた木村圭吾 [写真]=山口剛生

 能代工業高校(秋田県)の夏に終止符を打ったのは、2010年以来の優勝を狙う八王子学園八王子高校(東京都)だった。

 8月4日に一宮市総合体育館で行われた「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」男子3回戦。22度の優勝を誇る名門との一戦に臨んだ八王子は、第1クォーターからエンジン全開。伝統のオールコートマンツーマンを仕掛ける能代工業に対し、ハーフコートマンツーマンで対応すると、鴇田風真を中心に次々とシュートを決めていき27-12と大量15点ものリードを奪った。

 続く第2クォーターに入っても、鴇田に加え、第12回スラムダンク奨学生で来春からアメリカに渡る木村圭吾が攻撃をけん引。32-44に詰め寄られるなど相手の反撃を受けたが、第3クォーターで再び得点を量産していく。

木村とともに得点を量産した鴇田風真 [写真]=山口剛生

 3ポイントシュートの打ち合いとなる中、「終盤に2本連続で決められた時は危なかった」と石川淳一コーチが明かしたが、リードを21点にまで拡大。最後の10分間もしっかり乗りきり、最終スコア90-69で勝利を収めた。チームを率いた指揮官は試合後、「俺が一番緊張していたんじゃないかな」と述べ、「名門能代が相手で、小野(秀二)氏がコーチを務めているとは知らなくて。彼は策士なので、やられてしまうんじゃないかと」

 その一方、「選手たちは全然(緊張していなかった)。淡々とやっていて、いつもどおりだった」という。前橋育英高校(群馬県)との2回戦で完璧とも言えるオールコートバスケットを披露した能代工業の攻略法について、「最初はフォワードでつないで、最後はセンターで終えるようにした」と話し、ターンオーバーを7個にとどめて「良かった」と評価した。

 序盤で点差が開いた試合となったが、指揮官はベンチに下がった選手一人ひとりに、自身が座るイスの横に呼んで声掛け。「すぐに気を抜いてしまう」(石川コーチ)ため、「調子に乗りすぎるなと。ケガしてしまうことが怖いよ」と発破をかけていたようだ。

チームの指揮を執る石川淳一コーチ [写真]=山口剛生

 6本の3ポイントを含む38得点と爆発した木村をはじめ、鴇田が24得点、遠藤涼真が12得点をマーク。先発出場したババカル・アイダラ・ジャロに頼りすぎない試合運びを見せ、「シュートもよく決まり、だんだんと当たりが戻ってきた。大会にも、暑さにも慣れてきた」と指揮官は笑顔で語った。

「ここから下がることないように。(今は)いい感じ」。8年ぶりの夏の日本一へ向け、名門を破った八王子の快進撃が始まるか。

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