八王子学園八王子、まさかの42点差完敗も…木村圭吾が貫いたエースとしての自覚と責任

インターハイ準々決勝では、思うようなプレーが出来なかった木村[写真]=兼子慎一郎

 2年ぶりのインターハイに挑んだ八王子学園八王子高校(東京都)。2010年以来の優勝を狙った今回の「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会」だったが、その夢は準々決勝、42点差という予想外の結果とともについえた。

「完敗です……」

 そう試合後に話したのは、チームでエースを張る木村圭吾(3年)だ。今大会、第4シードを勝ち取った八王子学園八王子。初戦となった2回戦の県立川内高校(鹿児島県)戦で41得点、続く3回戦の能代工業高校(秋田県)戦では38得点をマークした木村。しかも2戦ともに6本の3ポイントを浴びせ、彼の活躍と比例するようにチームは快勝でベスト8へと進んだ。

 5日の東海大学附属諏訪高校(長野県)との試合はフェイスガードに遭いながらも、マークマンとのミスマッチを活かし、第1クォーターからコンスタントに加点。東海大諏訪についていった。第2クォーター序盤では、ステップバックからの長距離砲を2本連続で沈め、「いよいよ波に乗ってきたか」と思われた。しかし、この試合での木村の見せ場は、これが最後であった。

 同クォーター終盤からは黒川虎徹(2年)を中心に多彩な攻撃を展開する相手に引き離されると、木村が得意とするドライブも「抜けはしても、最後のフィニッシュが決めきれなかった」との言葉どおりリングに嫌われ、前半終了時点で一気に20点差をつけられた。ハーフタイムで「3クォーター終わるまでに10点差にしよう」と臨んだ後半だったが、テンポの良いパス回しから次々とノーマークで3ポイントを許してしまう。リバウンドでも八王子学園八王子の35本に対し計60本と圧倒され、最終スコアは67-109。「自分が止められる場面が多く、それでチームも流れに乗れなくて負けてしまいました」(木村)。

2ポイントシュートに至っては、20分の7という結果に終わった[写真]=兼子慎一郎

 もっとも、木村のシュートタッチは「悪くなかった」。試合の約3分2の時間、外しても外してもシュートを打ち続けたのは、エースとしての自覚と責任があるからだ。「自分が下を向いたらチームのみんなが自信をなくしてしまうので、攻め気は持っていようと。シュートが入らなくても打ち続けようと思っていました」。その姿勢が、結果的に3戦連続ゲームハイの29得点という記録に結びついた。

 高校卒業後は第12回スラムダンク奨学生としてアメリカに渡る木村。これからは「チームメートとのコミュニケーション」、「イージーシュートとフィニッシュの精度」に磨きをかけ、ウインターカップ優勝に照準を合わせる。

文=小沼克年

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