2月9、10日に「第32回東海高等学校新人大会」が静岡市のこのはなアリーナにて行われ、男子は藤枝明誠高校(静岡県)、女子は岐阜女子高校(岐阜県)が優勝した。
昨年のウインターカップ覇者・岐阜女子にインターハイ優勝・桜花学園高校(愛知県)と、強豪たちが顔をそろえる女子。2回戦では、昨年の東海新人大会決勝と同カードの安城学園高校(愛知県)と浜松開誠館高校(静岡県)とが対戦したが、試合は第1クォーターからリードを奪った浜松開誠館が快勝した。
敗れた安城学園は、前年のチームから大幅に主力が変わったこともあり、今は新たなスタイルを構築中。佐藤愛夏(2年)、近藤はづき(1年)らガード陣を中心に今後の飛躍に期待がかかる。
一方の浜松開誠館は、準決勝で岐阜女子と対戦。しかし、第1クォーターで大きく引き離される展開となり、第2クォーター以降の反撃も及ばず敗れた。「最初に受け身になり、逃げてしまった」と、三島正敬コーチ。さらに、「(コート内で)もっと話をする。思っていただけでは伝わらない。声を出していかないと」と、選手同士のコミュニケーションを今後の課題に挙げていた。
浜松開誠館に勝利した岐阜女子の決勝の相手は、2回戦、準決勝と100点ゲームで勝ちあがった桜花学園。この桜花学園の圧倒的な攻撃力に対し、岐阜女子がどのように対抗するかに注目が集まったが、一進一退の展開から第1クォーター終盤に抜けだしたのは岐阜女子。そのまま第2クォーターでもリードを保ち、前半を終えて8点のリードを奪った。
だが後半、出だしに桜花学園の攻撃が火を吹く。平下愛佳(2年)のスティールからの速攻を皮切りに岡本美優、首藤祐希(ともに2年)、江村優有(1年)がミドルシュートを沈める。この間、桜花学園のシュート確率は100パーセント。得点力の高さを存分に見せ付ける形で岐阜女子を捉えた。
しかし、ここで慌てなかった岐阜女子は、司令塔の藤田和(2年)が落ち着いたゲームメイクでインサイドにパスを配給。林真帆(2年)の3ポイントシュートも要所で決まり、主導権を渡さない。藤田、イベエスター チカンソ(1年)の強気の攻撃で桜花学園のファウルも誘発すると、終盤に2点差に詰められた場面はあったものの、最後はチカンソのリバウンドからのシュートに島田望歩(1年)のドライブで勝負あり。57-49で岐阜女子が2年ぶりに東海新人を制した。
「よくディフェンスをやりました」と、安江満夫コーチは、失点を49に抑えた防御を勝因に挙げた。また、ケガの影響で今大会の準決勝から実戦復帰となった藤田についても「万全の状態ではなかったけどゲームコントロールがよかった」と称えた。それでも、「たまたま第一ラウンドに勝っただけで、ここから。壮絶な1年がまた始まります」と、指揮官は、新たな戦いに向けて気を引き締め直していた。
写真・文=田島早苗