2019年の男子注目選手(12)ケリーザマール 奏(興南)「身体能力に秀でた沖縄の“弾丸”」

エースとして攻撃の要を担う奏[写真]=佐々木啓次

4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。

■男子注目選手(12)ケリーザマール 奏(3年/興南高校/沖縄県)

 今年の興南高校は下級生に高身長の選手が並ぶ。金城亮輝(188センチ)、バート ・ サスケ ・ マーク(189センチ)、宮城真斗(190センチ)の2年生トリオに加え、U16日本代表にも名を連ねる192センチの奥浜貫太(1年)が入部した。

 指揮を執る井上公男コーチは「沖縄独特でもある1対1から崩せるチーム。それをサイズの大きい子たちにもやらせたい。ディフェンスではしっかりマンツーマンでついて、そこからブレイクを出せるようにしたいですね」と今年のチームを描いている。

 その中で、井上コーチが「彼はオールラウンダー。攻撃の要として安定してきた」と期待を寄せるのが、エースのケリーザマール 奏だ。身長は183センチとチーム内では小柄の部類に入るが、それを補って余りある身体能力が最大の武器。自身も得意と豪語する1対1では、クイックネスで相手を抜き去り、そこから全身バネのような跳躍力でフィニッシュまで持っていく。リバウンドでもその能力は存分に発揮され、ゴール下にいなくとも走りこんでの飛びこみリバウンドでビッグマンたちからボールを奪取する。

 最上級生になったことで、エースとしての自覚が「強くなっています」と話す奏。3月の「第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」後は、「正直、体力がなくて(試合の)最後の方はシュートやドライブができなくて止められました。下半身をもっと鍛えて、シュート力も上げたいです」と、2年ぶりのインターハイ出場へ向けレベルアップを誓った。

文=小沼克年

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