4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。
■男子注目選手(21)西田公陽(3年/福岡大学附属大濠高校/福岡県)
福岡大学附属大濠高校のキャプテン・西田公陽は、兄・優大(現・東海大学3年)、弟・陽成(福大大濠2年)同様に高い得点力を誇るシューターだ。
「今年の大濠はオフェンス能力の高い選手たちばかりで、ペイントアタックをできる選手が多いです。そこからのキックアウト、3ポイントシュートが武器でもあるので、空いたらしっかりと打ちきって、決めることが自分の役割だと思っています」
しかし西田は、純粋なシューターというわけではない。泥臭くリバウンドに絡み、ディフェンスでも積極的にフィジカルコンタクトを重ねるなど、体の強さも兼ね備えている。
「ビッグラインアップで出るときは自分が一番低くなるので、そのときにディフェンスを一番がんばろうと意識しています」
今年の福大大濠は200センチの木林優を筆頭に、能代カップのロスター15人のうち190センチ以上が6名もいる。そのなかに入れば184センチの西田も“小さい”部類に入ってしまう。相手チームの一番背の低い選手とマッチアップすることもあるため、そこで綻びを見せるわけにはいかない。
そうした意識の高さは彼のキャプテンシーにもつながっていく。
「九州ブロックの新人大会で福岡第一(高校)にああいう負け方をして(60-98)、チームの雰囲気が下がってしまったので、意識して上げていくようなことをしてきました」
その成果は、練習での成果と相まって、5月に行われたインターハイ予選の「2019年度福岡県高等学校総合体育大会バスケットボール選手権大会中部ブロック予選会」でその差を50-67にまで縮めている。失点こそ減らしているが、攻撃的なチームの得点が伸びなかったところが次への課題だろうか。
「個人としてはもう少し1対1の判断だったり、シュートの行き方、バリエーションを変えていければいいなと思いました」
予選会の2週間前、能代カップで西田が発した言葉だ。
ともに勝ちあがれば6月2日がインターハイを懸けた決戦の舞台となる。残りわずかだが、西田がその課題を克服すれば、これまでの結果を覆す可能性も十分に含んでいる。
写真・文=三上太