昨年のウインターカップで全国初出場を果たした豊見城高校(沖縄県)。今年もインターハイ予選を突破して2度目の全国大会に臨んだが、またしても全国初勝利はお預けとなった。
インターハイ初戦の相手は前橋育英高校(群馬県)。決して勝てない相手ではなかった。
主に3ポイントと、ハイポストからの1対1や2対2で得点を重ねる前橋育英に対し、豊見城も速い展開に持ちこみ、試合は「お互いの良さをいかに潰すかという我慢比べだった」(嘉陽宗紀コーチ)。しかし、第1クォーターで17ー24と先手を取られると、終始追いかける展開となり、結局最後まで一度もリードを奪えず。最終スコア88ー79で敗れた。
サイズ的には差がなかったものの、リバウンドやルーズボールに飛びこむ姿勢の部分では前橋育英の方が勝っており、リバウンド数では13本の差が開いた。選手たちも試合後、「気持ちの部分で負けていた」と唇をかんだ。先発ポイントガードの渡久地政睦(2年)は、チームトップとなる19得点を挙げながらも、試合中は何度も嘉陽コーチに叱られた。
「得点を取りながら、パスをさばいて流れを作るのが自分の役割。だけど、仲間と合わせることができなかったり、自分1人でやってしまったのが、ダメだったなと思います」(渡久地)
「みんなでバスケットをしようと言っていたんですけど、(渡久地は)リングに行くことしかしなくて……。もっと味方にボールを回してほしかったです」(嘉陽コーチ)
沖縄県内では、高さの部分でアドバンテージのある豊見城。スローペースのハーフコートバスケットでも、ある程度勝利することができるというが、全国レベルではそれが通用しない。
「このチームはバランスがいいですが、大きい選手はもっとフットワークをつけなきゃいけないですし、小さい選手はもっとパスワークがないといけないです。全国で勝つにはそこを追求することと、1分1秒たりとも気を抜かずやり続けないと今のままでは厳しい」と、嘉陽コーチは指摘する。
「また鍛え直して、戻ってきたいと思います」
豊見城の全国1勝への道は、これからも続く。
文=小沼克年