ウインターカップ初出場の千葉経大附属、予選決勝で昭和学院を退け初優勝を飾る

試合終了の瞬間、歓喜に沸いた千葉経済大学附属高校

 10月26日、船橋アリーナにて「平成31年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会 (ウインターカップ2019)千葉県予選会」の男女決勝が行われ、女子決勝では昭和学院高校と千葉経済大学附属高校が対戦した。

 試合は全国常連校の昭和学院に対し、初優勝を狙う千葉経大附属が積極的にリングへアタックして先行。第1クォーター中盤で5点リードするも、昭和学院は1年生ポイントガードの田嶋優希奈らをコートへ送りこんで立て直す。高さで勝るアドバンテージを活かしてインサイドから得点を重ね、第1クォーターを1点ビハインドで終えた。

 しかし、この日の昭和学院はフリースローミス、アウトサイドシュートは再三エアボールになるなどオフェンスの調子が悪く、明らかに「浮き足立っていた」(鈴木親光コーチ)。第2クォーターでは、相手のしつこいディフェンスを前に開始5分以上も無得点。その間、千葉経大附属は人とボールがよく動いて内外から得点を重ね点差を広げる。キャプテンの土屋奈緒子(3年)らのガード陣に3ポイントも飛びだし、前半終了時点で33-23と10点リードを作った。

 第3クォーターに入ると、立ちあがりから中村帆香(2年)が2本のフリースローと3ポイントを沈めて昭和学院の反撃ムードに。開始4分15秒時点で4点差まで迫った。それでも、千葉経大附属はタイムアップをとって落ち着きを取り戻し、「苦しいときに(ファスト)ブレイクが出ました」(池端直樹コーチ)と2本の速攻が決まり相手を引き離した。

高さで優位に立つ昭和学院に対し、スピードで対抗した

 48-43でスタートした最後の10分間も、千葉経大附属は要所でスティールからの速攻、3ポイントを沈めてリードを保ったまま試合を進める。後がない昭和学院は田嶋の連続得点で一時4点差に迫って意地を見せるも、試合終了残り27秒に試合を決定づける3ポイントを決められて万事休す。最終スコア72-62で千葉経大附属が勝利し、初優勝で初のウインターカップ出場を決めた。

「チャレンジャーの戦い方は先手必勝。昭和学院さんは背が高いので、まず一人ひとりが個人で負けないよう、『チャレンジャー精神を持って先に仕掛けていこう』と言いました」(池端コーチ)

 ゲームプランどおり先手を取った千葉経大附属。第3クォーター終盤にセンターの優博美(3年)をファウルアウトで失ったものの、それを全員でカバーし、高さのある相手をスピードで翻弄。最後まで逆転を許さなかった。「ラグビー日本代表の『ONE TEAM』じゃないけど、みんなでつないで、みんなで勝ち取った優勝」と、胸をなでおろした池端コーチ。約1カ月後の大舞台では、チームのスタイルであるスピードと機動力あふれるバスケットを貫く。

試合中の厳しい表情から打って変わり、優勝後は終始笑顔を見せた池端コーチ

 一方、敗れはしたものの6月の関東大会(第73回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会)を制したことで、千葉県のウインターカップ出場枠を「2」に増やした昭和学院は、辛くも予選2位で本戦へ。この敗戦を糧に、冬での巻き返しを期待したい。

【試合結果】
昭和学院 62-72 千葉経済付属(@船橋アリーナ)
昭和学院|16|7|20|19|=62
千葉経済|17|16|15|24|=72

取材・文=小沼克年

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