12月23日から武蔵野の森総合スポーツプラザとエスフォルタアリーナ八王子で幕が開ける「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度から出場チームが例年の男女各50チームから60チームに拡大し、頂点までの道のりは一層険しくなった。そんな高校バスケット界最高峰の大会を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべき選手を紹介していく。
■ウインターカップ男子注目選手(6)黒川虎徹(3年/東海大学付属諏訪高校/長野県)
今夏のインターハイではのちに決勝進出を果たした北陸高校(福井県)に71-86で敗れ、2回戦で姿を消した東海大学付属諏訪高校。
「1試合をとおして自分たちのリズムがつかめなかったです。入野(貴幸)先生は『自分が敗因』と言うかもしれないですけど、選手が要求に対してリアクションできなかったですし、自分がチームのキャプテンとして引っ張れなかったです」
キャプテンの黒川虎徹は、敗戦後、人一倍責任を感じていた。
1年生の頃から同校のポイントガードを担う黒川は、流れを読む力に優れ、的確な判断とピンポイントパスで試合をコントロールする。「自分から切っていくタイプではない」(入野コーチ)が、1on1の場面となればスピードではなくズレを作って相手をかわす。自らがアタックして得点を奪うこともでき、前述したインターハイでは2試合ともに22得点をマークし得点力の高さも見せつけた。
昨年はインターハイベスト4、ウインターカップではベスト8入りを果たした東海大諏訪。今年のチームは昨年から先発を担う選手が黒川、高原伊吹、米山ジャバ偉生(ともに3年)と3人いるが、自身が2年生であった昨年のチームと比較し、黒川はこうも話した。
「去年の3年生は2年生を伸び伸びプレーさせてくれていました。でも今年は自分たちのことばかりになっていて、後輩たちを伸び伸びプレーさせてあげられなかったです。それを修正しないとウインターカップでも同じような展開になるので直していきたい」
今年の夏には「粘り強さがない」と、現状のチームについて指摘していた黒川。ウインターカップでは自らのプレーとキャプテンシーに磨きをかけ、絶対的存在としてチームを勝たせられるかどうか。今大会屈指のポイントガード・黒川虎徹を見逃すな。
文=小沼克年