昨年のインターハイとウインターカップを制したのは桜花学園高校(愛知県)。その2つの全国大会において、いずれも決勝で顔を合わせたのが岐阜女子高校(岐阜県)だ。
そのため、新チームとなった岐阜女子のメンバーたちにとって、桜花学園に対しては“リベンジ”の思いが強い。
2月15、16日に行われた「第33回東海高等学校新人大会」、岐阜女子は順当に決勝まで勝ち上がると、決勝では桜花学園と対戦した。
新チームでは初となる桜花学園との試合。序盤は桜花学園にリードを許す展開となり、前半を27―37と10点ビハインドで終える。
しかし後半、岐阜女子は息を吹き返す。火を付けたのは外角シュートを得意とする佐藤果歩。後半の出だしに3ポイントシュートを決めると、その後もジャンプシュートや3ポイントシュートを沈めて桜花学園に食らい付いていく。
この佐藤に気迫に応えてイベ・エスタ―・チカンソがインサイドで加点。じりじりと点差を縮めると、第3クォーターを終えて4点差にまで詰めた。
第4クォーターでも3ポイントシュートを果敢に放った佐藤。この佐藤を筆頭に岐阜女子は逃げ切ろうとする桜花学園を追ったが、最後は僅かに及ばず。67-69で惜敗した。
「後半はずっと追う形になってしまったので、個人的には前半からもっと私が強く得点をする気持ちを出していれば良かったかなと思います」と岐阜女子の佐藤はこう試合を振り返った。
だが、昨年からの主力が3人残り、今大会でも下馬評の高かった桜花学園に2点差での敗戦は、敗れたとはいえ健闘したともいえる。
しかし、「私は昨年のウインターカップでも試合に出させてもらっていました。新チームでもここまで桜花学園に勝つためだけにやってきていたので、満足いかないです」と佐藤は声を詰まらせた。
『背番号4』
新チームでは安江満夫コーチらスタッフの推薦で佐藤はキャプテンを担うことになった。
「昨年から試合に出させてもらいましたが、(一つ上の)3年生のために何もできなかったという思いがあるので、今年こそは日本一に導けるように。あまり表に出る方ではなかったのですが、雰囲気を盛り上げるために声を出すなど、チームを引っ張っていきたいです」と意気込む。
「点数を取るという気持ちを強く持つこと。ディフェンスではもっと体を強くして1対1で守れるようにしていきたいです」とプレー面での課題も挙げた佐藤。
池田沙紀(筑波大学)、林真帆といった、かつてのキャプテンたちの“魂”を受け継ぎ、2020年は自らが率先してチームを高みへと導く。
写真・文=田島早苗