日本中で15万人がプレーする高校バスケ。全国区の強豪校以外にも、とんでもないポテンシャルを持った逸材が隠れている。
そんな、まだ見ぬPROBLEM(プロブレム=ヤバい奴)たちにスポットライトを当て、バスケファンにご紹介する企画、それが『UNSEEN PROBLEM』だ。
コロナ禍の影響で高校生がその実力を披露する舞台が激減してしまった2020年。知られざる逸材を、知られないまま埋もれさせないためにballaholicがクリエーションした映像で、バスケットボールキングがお届けする!
『一般社団法人スポーツを止めるな』もサポートするこのプロジェクトの2回目は千葉県習志野市立習志野高校の木島優。正確無比なアウトサイドシュートに加え、スキあらばドライブでゴールにアタックするプレースタイルは同校のOB、千葉ジェッツの原修太をほうふつさせる。そんな『原修太2世』に直撃!
朝晩の打ち込みでシュート感覚を磨いた
――まず自己紹介からお願いします。
木島 木島優(きじま・ゆたか)、習志野高校3年生です。ポジションはシューティングガード(SG)ですが、場面によって1番もやりますが、基本は3番ポジションをやっています。チームがサイズアップする時は自分がポイントガード(PG)をやります。身長は183センチ、体重は74キロ、背番号は34番です。
――34に決めたのは何か理由がありますか?
木島 ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)が付けている番号なので選びました。NBA選手の中ではアデトクンボが好きです。
――バスケを始めたきっかけは?
木島 兄がもともとバスケットをしていたので、その影響で始めました。兄とは7歳違いで、小学校に入る前から試合を見に行ってて、自分も自然に始めた感じです。
――ミニバスは?
木島 地元の一宮ミントキッズというクラブです。自分が4年生の時に県大会3位になって、自分が6年生の時は県大会ベスト8でした。
――中学校は?
木島 中学校もそのまま一宮中に行きました。県大会ベスト8が最高です。
――中学時代のポジションは?
木島 中学校時代はずっとフォワードで点数とるのが仕事だったので、選ばれたジュニアオールスターでもフォワードで点を取る仕事をしていました。
――習志野高校へ進学しようと思った理由は?
木島 最初はあまり知りませんでした。千葉県のウインターカップ予選を見に行き、すごく気迫があり、他のチームにはない特色があると感じました。自分の友だちのジュニアオールスターと話して、そこで頑張ろうと決めました。
――千葉と言えば他にも強豪チームがありますが?
木島 どちらかというと、(強いチームを)倒したいというか、歴史を塗り替えたいという気持ちが大きくて、習志野高校で優勝したいと思いました。
――プレースタイルを教えてください。
木島 自分は得意なプレーは3ポイントですが、リバウンドをとってからの突破力で、ドライブからアシストやシュートまでいくことも得意です。
――1試合での最高得点は?
木島 練習試合ですが、45点が最高です。
――この時の自分はどこが良かったのでしょう?
木島 3ポイントの確率とシュートタッチが良くてミスも少なく、自分が思うようなプレーができたことです。
――中学の時から3ポイントは打っていた?
木島 打っていましたが、どちらかというとドライブでの得点が中心でした。高校に入り、もっと打つようになりました。
――その理由は?
木島 高校に入るとセンターも大きいし、留学生もいるからです。ドライブだけでは得点のバリエーションも少ないので、自分の中で考えて、外からも得点できるようにしています。
――自分の得意なシュートのポジションは?
木島 1番得意なのは、両サイドの45度です。ここでもらってシュートを打つことが多いですね。自分として気を付けているのはボールを持ってからシュートでは遅くなるし、チェックも来ます。自分がボールをキャッチしてからどうするか、ディフェンスの動きに合わせてプレーすることを意識して練習しています。
――シュートバリエーションは増えましたか?
木島 3ポイントの少し離れたところからも打てるようになって、あとはドリブルから3ポイントも打つことができるので、そういう意味では成長したなと思います。
――シュートはどのように磨いてきた?
木島 練習終わってからシューティングで打ち込んだり、朝早く来て朝練で打ったり、時間をみて打ってます。0度、45度、真ん中の10本インを繰り返して、平日だと200本です。時間が余ったたらフリーでも打ちます。
――もともとシュートは得意なほうですか?
木島 もともとミニの時からシュートは得意でした。自分のシュートフォームを貫いて、打ち込んで精度を上げた感じです。ただシュートは小さい時から好きです。
自分がまず上を向いて、チームのモチベーションをアップ
――好きなプレイヤーや参考にしているプレイヤーは?
木島 東海大学の大倉颯太選手です。気分が乗らない時など大倉選手のプレーをYouTubeで見て、モチベーションを上げています。高校時代からうまいなと思ってずっと見ていました。いくつかプレーも真似していて、参考にしています。シュートの決定力やゴール下へのノールックパスがすごいです。
――会ったことは?
木島 昨年、ウインターカップを見に行った時、多分母校の応援に来ていた大倉選手がいたので、写真を撮ってもらいました。
――NBAやBリーグで参考にしている選手はいますか?
木島 アルバルク東京の田中大貴選手のプレーを見ています。田中選手はシュートタッチが軽いところと、フィニッシュ力を参考にしています。そしてもう1人、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)はステップを参考にしています。今、ドライブに行く時のステップを練習しているのですが、よくビデオで見ています。
――習志野OBの原修太(千葉ジェッツ)選手も好きだと聞いています。
木島 原さんはキャッチ&シュートがとにかく速いんです。実際に練習をしてもらったことがあるのですが、サウスポーで守りにくく、フィジカルも強くて。Bリーグのシューターの中ではあまり大きくないほうだと思うので、ボールがないところでどのように動いているかとか、どのようにフィジカルを使っているのかをよく見ています。
――習志野高校のバスケットスタイルは?
木島 自分たちは千葉県の中でもサイズがある方なので、そこを起点にして。そしてセンターが走って、どこからでも得点が取れることが自分たちのスタイルです。
――新型コロナの影響でインターハイや関東大会がなくなってしまった時の心境を教えてください。
木島 正直、インターハイに出られるのは人生で高校の時だけなのでショックでした。でもその後ウインターカップで絶対に出ようと3年生で話して決めていたので、目標を確認して再スタートしました。
――学校に通えない時はどのようにコミュニケーションを取っていましたか?
木島 LINEなので文章ですが、それぞれの目標を書き込んだりして、自粛中でもコミュニケーションを取っていました。
――気持ちがバラバラにならないように、どのように3年生で引っ張っていきましたか?
木島 自分の心が折れてしまうとチームも下を向いてしまうので、まず自分が上を向いて。みんなを励ますように前向きな言葉をかけて、コミュニケーションをみんなで取ってモチベーションを上げました。
――自粛中の練習はどんなことをしていましたか?
木島 トレーナーさんに連絡して、練習メニューを聞いていました。自分の家に、ダンベルやチューブもあるので、体幹をメインにやっていました。
――トレーニングの成果は?
木島 シュートも安定してきて、体幹はやはり大切なので、やっておいて良かったです。
――今の目標はウインターカップ?
木島 はい。ウインターカップ出場です。
――現在のチームの雰囲気はどうですか?
木島 自分たちで作り上げたバスケットを貫き通して、みんな張り切って声を出し、練習に励んでいます。
――将来の夢を教えてください。
木島 まず大学へ行って、Bリーグでプレーして、引退後はバスケに携われる仕事に就きたいと思っています。
※試合映像は自粛期間中に行われたものは含まれておりません