3月28日から30日の3日間、東京体育館をメイン会場に「第31回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2018」が開催された。女子決勝は千葉県と大阪府の対戦となり、67-64で千葉県が勝利。10年ぶり2回目の優勝を果たし、最優秀選手に花島百香が輝いた。
延長にもつれこんだ熱戦は、劇的な結末となった。64-64の同点、タイムアップまで残り10秒を切ろうかというタイミングで、千葉の田丸実来が放った3ポイントシュートが決勝点に。「『打ちなさい』という指示は出していなかったんですけど」と桒原美和コーチも予想外だったようだ。
177センチの花島と172センチの西ファトゥマ七南。千葉は高さとパワーを兼ね備えた2選手で序盤の主導権を握った。西がファウルトラブルでベンチに下がる時間もあったが、花島をアウトサイドに出したハイ&ロー、インサイドアウトからの田嶋優希奈の3ポイントシュートなど自在なチームオフェンスで得点。大阪も粘り強いディフェンスや横山智那美の思いきりのいい得点で食らいついていった。
第4ピリオドに入ると、千葉は花島、西の得点が止まる。「3日間で6試合というのは彼女たちはおそらく初めての経験。足が重かった」と桒原コーチ。逆に大阪は長身プレーヤーの前田心咲、佐藤双羽らが、ゴール正面でボールを持つやいなや積極的にドライブを仕掛け、得点を重ねていった。延長戦開始1分ほどで前田が負傷退場するアクシデントもあったが一進一退の攻防は変わらず、最後は冒頭の通り田丸の3ポイントで決着となった。
桒原コーチは今年のチームを「底抜けに明るい子たちがそろった」と説明する。確かに千葉の選手たちは、シュートが決まったときもミスをしたときも歯を見せることが多かった。花島も勝因を問われ、「明るくリラックスしてプレーできたことだと思います」とコメント。桒原コーチはあまりにも高い選手たちのテンションを逆に下げるのに苦労したと笑った。
閉会式が終わり、会場を後にしようとする選手たちが「もう会えないなんてさみしいね」と話しているのを耳にした。数カ月におよぶ選抜チームとしての活動を終え、これからは再びライバルに。この大会で得た経験でステップアップし、“元チームメート”それぞれがかつての仲間たちを驚かせてほしい。
文・写真=青木美帆
■女子最終結果
優勝:千葉県(10年ぶり2回目)
準優勝:大阪府
第3位:秋田県、愛知県