長距離砲を武器に戦うパワーフォワードの張本天傑「日本代表の目指すバスケを徹底したい」

マカオ戦では約8分間の出場で7得点3リバウンドの活躍を見せた張本 [写真]=山口剛生

 マカオ代表との第5回東アジアバスケットボール選手権大会予選ラウンド第2戦で、119-47と大勝した男子日本代表チーム。6月3日に行われた韓国戦では出番のなかった張本天傑(はりもと・てんけつ/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)は、やや緊張した様子はあったものの、持ち前のエネルギッシュなプレーで躍動した。

 張本は青山学院大学在学時に前十字靭帯断裂の大ケガを乗り越え、自身最後のインカレに臨んだハートの強い、チームにエネルギーを与えることのできる選手だ。メンタル面だけではなく、正確なアウトサイドシュートを武器に、2011年にはユニバーシアード日本代表に選出されるなど、その実力も折り紙付きだ。

 張本はマカオ戦を振り返り、バックアッパーとしての役割に理解を示した。

「自分の役割は激しくディフェンスして、オフェンス時にはしっかりとノーマークを見て、自分の長所でもある外からのシュートを決めることです。なので、主力のアイラ(ブラウン/サンロッカーズ渋谷※自由契約選手)や(竹内)譲次(アルバルク東京)さんの体力温存ができるように、ヘッドコーチの目指すバスケットボールを徹底してやりたいです」

 所属する名古屋Dとは異なる役割や、そのバスケットボールの難しさについて問われると、「要求されることは多くないんです。細かいことで、1回1回しっかり徹底できるかどうかがキーになります」と述べた。

 代表での自身の課題について「自分は(同ポジションの選手と比較すると)サイズが小さいので、リバウンドでのボックスアウトや、外国籍選手に対してどうインサイドを守れるかというのが課題になります」と口にする。その言葉どおり、張本は現在、アーリーエントリーでトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)に入団した2014年と同じ壁にぶつかっている。

 197センチの身長はバスケットボール選手として決して小柄ではない。しかし、3番(スモールフォワード)ポジションではスピードで苦戦を強いられることもあり、4番(パワーフォワード)ポジションでは高さとパワーに欠ける。それでも、今大会の指揮を執るルカ・パヴィチェヴィッチHCは、その弱点を補って余りある張本のバスケットボールに対するひたむきな姿勢を評価する。

「張本はキャンプから常にエネルギーを持って参加している。ブラウン、竹内譲と同じポジションで厳しい競争の中、自分のパフォーマンスを出すことができている。代表でもいい結果を残してほしい」

 ブラウンのパワーと躍動感、竹内譲の高さとは違う、張本らしい武器を活かして今後の日本代表を担う選手に成長していくだろう。

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