10月16日から第8次強化合宿を開催中の「AKATSUKI FIVE」男子日本代表が、18日、報道陣に練習の模様を公開。11月24日に迫ったFIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選、対フィリピン戦に向け、最年長35歳のアイラ・ブラウン(琉球ゴールデンキングス)から、最年少18歳の西田優大(東海大学1年)まで総勢20名(アルバルク東京の竹内譲次、横浜ビー・コルセアーズの川村卓也、栃木ブレックスの遠藤祐亮はコンディション調整のため欠席、シーホース三河の橋本竜馬は別メニューで調整)の代表候補が汗を流した。
この日は、2チームに分かれてピック&ロールやスクリーンの角度などを細かくチェック。また、新たに召集された選手もいるということで、アーリーオフェンスやスローイン時のチームとしての決まり事を確認するメニューも盛りこまれた。最後は報道陣には非公開のスクリメージを行い、今回の合宿を終了させた。
今回もメインの司令塔として期待が高まる富樫勇樹(千葉ジェッツ)は、「思ったよりも練習の強度が高いのでびっくりした。でもこれぐらいの質や量ではないと11月の本番には準備が間に合わない」と表情を厳しくした。
今回の合宿では富樫を含め5名のポイントガードが選出されている。それに関して質問が及ぶと「他の選手にないものをしっかりアピールしたい」と、今シーズン、自チームの千葉においても好調をキープしているだけに、サバイバルに生き残る自信をうかがわせるコメントを残した。
2019年、中国で行われるFIBAワールドカップの予選は、これまでの1カ所開催の大会ではなく、リーグを中断させてホーム&アウェイ方式で行われる新フォーマットが採用されている。キャリア豊富のフリオ・ラマスヘッドコーチにとっても初めての経験だ。「それについてはアジャストするしかないと思っている」と語ったラマスHC。11月のフィリピン戦に向けて、今回を含め5度の合宿が予定されている。
合宿の最後にはラマスHCが取材陣に対応。
「最初の3回でゲームのシステムを習得させ、残りの2回は試合できっちりと表現できるようにチームを作りたい。ただ、土日に試合して、月曜日に集合するスケジュールなので、月曜日は調整にあて、火曜日と水曜日はバスケに集中したメニューとなるだろう。そこは故障して選手をチームに戻すようなことはしたくないし、チームにリスペストをしなければいけないと思っている。日本協会、Bリーグ、そして代表チームが融合して、ともに強化を進めるつもりだ」と、環境を含め、チーム作りの青写真を披露。さらに、
「自身としてもっと日本のバスケに慣れなければいけないと思っている。しかし、4月の段階よりも、さらにあと2カ月もすれば、もっとわかってくると思う。今回はBリーグの試合を観戦しているが、その一環でもある。今回の24名は私が選んだ。ベストの選択だと思っているし、このメンバーでベストのチームを作っていきたい」と、決意を新たにした。
2020年の東京オリンピックに向けて、フィリピンという難敵をまず倒さなければいけない。「時間が足りないのはわかっている」と語ったラマスHCだが、今行っている取り組みが、2020年の東京オリンピック出場につながるだけでなく、それ以降の日本のバスケットボール界の礎を築くことも視野に入れているようだ。
文=入江美紀雄