所属クラブのシーホース三河はもちろんのこと、男子日本代表のエースとしても目覚ましい活躍を続けている比江島慎。11月に行われた「FIBAバスケットボールワールドカップ アジア地区1次予選」第1戦のフィリピン戦(20点)、第2戦のオーストラリア戦(17点)で挙げた得点はいずれもチームハイ。2月22日のチャイニーズ・タイペイとの第3戦、25日のフィリピンとの第4戦でも大車輪の活躍が期待されている。
メディアに公開された2月6日の第14次合宿は、富樫勇樹(千葉ジェッツ)、馬場雄大(アルバルク東京)など数名がケガのため別メニューで調整にあたっていた。比江島は自身のコンディションが良好なことをコメントしたのち、「(チームは)ケガ人が多く万全な状態ではありませんが、7月頃から(フリオ)ラマスヘッドコーチのバスケットをやってきているので、選手たちはシステムも理解できていると思います。今はそれを磨いていく時期。チームとしての力が高まっているのは確かだと思います」とチームの現状を捉えている。
外国籍選手やシューターを含め、様々なオプションの一つとして得点が求められる三河に対し、代表チームでは比江島自らがオフェンスの起点となる機会が増える。「代表ではペイントエリアにアタックすることが自分の役割。三河でプレーするとき以上に、アグレッシブに攻めることを意識しています」と話し、第1戦、第2戦でも「出だしが堅かったので、このままじゃダメだと思って最初から飛ばしていきました」と、起爆剤となるプレーを意識していたことを明かした。
自身の代表での経験から「格上の相手には、ホームであろうと点差を離されたら追いつけない」と話す比江島。「最初から飛ばして、体力が切れたら交代すればいい。後先考えずにプレーしたい」と決死の覚悟で戦う意欲を示した男の、鬼気迫るプレーに期待したい。
取材・文=青木美帆