2018.02.16

第1回バスケットボールミーティング開催。男子代表ラマスHC「いいプレーをして勝つのみ!」

男子日本代表のフリオ・ラマスHCがバスケットボールミーティングに登壇[写真]=山口剛生
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 2月15日、朝日新聞東京本社において、第1回バスケットボールミーティング(主催:株式会社朝日新聞社、共催:株式会社フロムワン、協力:公益財団法人日本バスケットボール協会・バスケットボールキング)が開催された。このイベントにフリオ・ラマス男子日本代表ヘッドコーチ、東野智弥 日本バスケットボール協会委員長が登壇し、2月22日に迫った「FIBAワールドカップ2019」アジア地区1次予選Window2、日本代表vsチャイニーズ・タイペイ戦への想い、2年目を迎えたBリーグについて、さらには日本の将来像など、熱いトークが交わされた。

「日本のオリジナルスタイルを作り出すことが大切」ラマスHC

課題はあるものの、Bリーグに対して高い評価を示したラマスHC[写真]=山口剛生

 日本代表のヘッドコーチに就任して、家族とともに日本にやってきたラマスHC。「スタッフが食べているのを見たことはあありますが、まだ納豆にはトライしていません(笑)」と裏話を披露。「東京の街はモダンで、安全、とても清潔で、テクノロジーの高さに驚くばかりです。街の人は行儀がいいし、リスペストしてくれて、それでいてフレンドリー。コーチとしてもいい挑戦ができているし、人間としてもいい経験ができています」と、日本での感想を語った。

 2年目を迎えるBリーグ。その会場に足を運んでいるラマスHCだが、コーチの目にはどのように映っているのだろうか。

 「まだ改善できる余地はありますが、世界的に見て競技力やコート外での活動においても、Bリーグは高いレベルにあると見ています。(私が出身の)アルゼンチンと比べると、コート外ではすでに優っているかもしれませんが、コート内ではアルゼンチンのほうが上だと言えます。ただ、これから10年後、Bリーグはレベルアップをするので、選手にしろコーチにしろ、記者にしろ、いろんなレベルを上げるチャンスだと思います」

 来週に迫ったチャイニーズ・タイペイ戦に向けて、チームの状況を聞かれたラマスHC。静かな口調ながら、“絶対に負けられない一戦”に向けて、強い意志を感じられる言葉を語った。

 「チーム内では2月22日の試合(チャイニーズ・タイペイ戦)がどれだけ重要なのか理解していますし、もちろん勝ちに行きます。今私たちはジャパンスタイル、ジャパンウェイのバスケを構築しています。相手に合わせるのではなく、日本のバスケで相手に勝ちます。けが人も多く出られない選手もいるのも事実ですが、それには気を取られないようにしています。今いる選手たちで戦うしかないですし、勝てます。勝って、皆さんのためにもいい勝利を見せたいと思います。日本の長所はインテリジェンス、取り組む姿勢、チームのために犠牲になっていいというメンタル、これらがチームの力になるのでしょうか。課題としてはフィジカルをも強くしなければいけですし、チームのタクティクスも向上しなければなりません。それらができれば、独自のスタイルが築けると確信しています」

「バスケ維新が今日本で起きている」東野委員長

日本のバスケ界は大きな変革期にあると語った東野委員長[写真]=山口剛生

 日本協会では強化・育成などの重責を担う東野委員長。現役時代も、その引退後も“クラッシャー”と言われた熱い男は、このイベントでも熱弁を振るった。

 「マンガ『巨人の星』は1966年に連載開始され、その29年後野茂英雄がメジャーデビューしました。『SLUM DUNK』は1990年連載開始、その29年後の2019年、八村塁(ゴンザガ大学2年)がNBAにデビューするかもしれません。今、日本のバスケ界に起こっているのは、単にプロリーグができただけではありません。Bリーグ誕生と2020年、東京オリンピックをきっかけに明治維新に匹敵する『バスケ維新』が起きています。今の10代の選手は当たり前ようにNCAAやアメリカでのプレーすることを視野に入れており、今やNBAでのプレーも夢ではありません。数年前とは劇的に変わっています。八村、渡邊雄太(ジョージワシントン大学4年)、シェーファー アヴィ幸樹(ジョージア工科大学1年)、田中力(坂本中学3年)を筆頭に今までの次元の違う選手が誕生し始めているのです。2023年には沖縄でワールドカップが行われますが、上位を目指せるように日本バスケットボール界全体として成長していきたいと考えています」

 バスケへの愛情がほとばしるラマスHCと東野委員長の話はなかなか終わりが見えなかったが、残念ながら予定時間をオーバー。最後に来るチャイニーズ・タイペイ戦への意気込みを聞かれたラマスHCは、ひと言、簡潔に決意を述べた。

 「いいプレーをして、勝つだけです!」

 短いながら、ラマスHCの信念とチームに対する信頼が込められた言葉だった。登壇者が席を立つと、参加者の大きな拍手で会場が包まれ、「バスケットボールミーティング」という初の試みは無事終了した。

熱気を帯びたイベントとなった「第1回バスケットボールミーティング」[写真]=山口剛生

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